年配の男性が 手のひらに乗る大きさのひよこのおもちゃを持ち込みました。ゼンマイを巻くと両足をカタカタとはじくようにジャンプして動くのですが、動かないとのこと。是非直してほしいと言われました。
定番のラチェット部が割れていました。たまたま接着で実用的な強度が出たのでそれでお渡ししました。
引き渡しの時、その方がとても喜んだ様子で、娘さんの仏壇に飾りますと言いました。えっと思って聞いてみると、つい先頃50歳で亡くなったそうです。49日を過ぎたが納骨する気になれず手元に置いているのですと言うではありませんか。なくなった事情はわかりませんが、生きているうちにもっと話を聞いてやればよかったと自分を責めている様子でした。このおもちゃは娘さんが子どものころから好きだったもので、動かなくなって久しかったそうです。動く状態にして仏壇に飾れてよかったとほっとした様子でつぶやくように語りました。
切ない気持ちになってしまいました。
気持ちに整理が付き、今の状況を受け入れられるようになることを願うばかりです。
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