クリスマスのおもちゃで大物です。音楽が鳴り、人形が動き、ランプが点灯します。
動かない、音楽が鳴らないという症状でした。音楽はオルガニートという仕組みで、オルゴールのような櫛歯をピンがはじいて音を出します。ピンは櫛歯と対になっていて、帯状のカードに空いた穴がピンを引っかけて櫛歯をはじきます。今回の原因はカード送りのパイプ状の部品が劣化して粉々になったためです。オルガニートのアッシーは売っていますがとても高価です。部品は売ってないので3Dプリンターで作製しました。上のローラーが破損。こんな状態に3Dプリンターで作製した部品をセットしたところ(グレーの部品)無事音楽を奏でるようになりました。音量豊かで、軟らかく滑らかないい響きです。何でもオルガニート同好会というのもあって活動しているそうです。
この仕組みは100年以上前にヨーロッパで実用化されたディスクオルゴールが元になっています。それは金属の円盤に穴が空いていてピンをはじくのですが、オルガニートは紙の帯を使っています。これはサンキョーが開発したもので、今でも作っています。紙に自分で穴をあけ、オリジナルの曲を演奏させることもできます。
オルガニートの故障はこれまでにも見たことがあります。両方とも同じ部品の劣化が原因でした。他の部品はしっかりしていて、この部品が手に入りさえすれば比較的簡単に直ります。
今回は人形の動きも悪いため、点検しました。ギアの交換で動くようになりました。ところで、驚いたのはシャフトの軸受けです。プラで押さえてはいるものの真鍮のブッシュが全ての場所に使われていました。使い捨てとは違うレベルを感じました。
*上記オルガニートはパーツ山が11,櫛歯のピンは20です。最近受け付けたオルガニートは櫛歯が30ピンで、パーツ山は16でした。同じパーツが劣化して破損していました。この紙送りパーツの材質はメーカー(SANKYO 現在はニデックインスツルメンツ)の話では、以前はシリコンゴム、現在はウレタンゴム製だそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿