2024年9月13日金曜日

ベイブレードXストリングランチャー

 ベイブレードXストリングランチャーの紐が引けないという症状です。

原因の1つはゼンマイ切れでした。切れた位置が中心に近かったので長い方の末端を加工して組み込みました。

しかし、次の問題がありました。紐を巻き込まないのです。デフォルトでバネを強くしてもだめです。よくみると、途中まで巻き込むが終わり付近で固くなる。そして無理に押し込むと終わりころは軽くなる。固い部分に何があるのか謎でした。
何度も紐に触っていてふと気がついたのは、巻き込みが固い部分は紐が固いのです。
           柔らかい部分
           固い部分

何が違うのか?紐をよく見ると違っていました。
           下が柔らかい部分、上が固い部分です。違いは
           目の粗さ(と太さ)です。
この紐は中心にストレートのファイバーが入っていて、外側は編み紐になっています。その編み部分が何らかの理由でしごかれるようにして偏り、そこが固くなっていたのです。上の写真で目の粗さの違いが明らかにわかります。
元には戻せないので、携帯ストラップ用の紐で代用しました。動きがスムーズになりました。
紐を外す際にちょっと戸惑うのがハンドル部分です。頭のめくら蓋を抜くのに、2mm程度のビスをねじ込んで抜くとやりやすい。

ところで、何故編み紐の編み部分がしごかれたのか? 通常は少し折れ曲がる部分にハトメが使われていてスムーズに流れるようになっていて、しごかれるとは考えにくい。
原因で思い当たるのはこのランチャーはハトメの内側に酷い汚れがこびりついていてざらざらであった。外して内部をきれいにするのに綿棒では足りず、ルーターで削る状態であった。これが悪さをして紐をしごいたのではないかと推測した。
ではなぜそこまで汚れがこびりついたのか?これも全くの推測だが、お菓子などを触った手でストリングに何度も触ったのではないかと。糖分や脂分が紐につき、ハトメに堆積したのではないかと。
まさかの症状ではありました。

以上








2024年9月8日日曜日

増田屋 spaceship

 数十年前のおもちゃ、増田屋のspaceship。Made in Japanです。ミステリーアクションで動きます。

上下分割するために、ネジ3本と風防、アンテナを外す必要があります。アンテナは大きな風防の中です。風防は5つのツメで本体にはめ込まれていて、ツメは外向きです。
アンテナは中の軸に接着されています。これを外すのは要注意です。軸はプラでギアと一体になっています。無理にこじると折れますが、根元で折れると厄介です。簡単に取れなければいっそアンテナの根元でカットし、後で軸を継ぎ足すほうが簡単かもしれません。今回は真鍮パイプで継ぎ足しました。

スイッチ等の接点磨き、モーターのオーバーホールで修理完了しました。風防とアンテナ外しがキモでした。

以上




2024年9月3日火曜日

アンパンマンのピアノ 飲み物をこぼして配線腐食

 アンパンマンのピアノです。幅が50cmほどあります。



もらい物らしいですが、電源ランプは点くのに、立ち上がらなくなったとのことでした。仲間のドクターからの依頼品です。内部に飲み物がこぼれた後が基板上に広くあり、清掃と再ハンダをしたが改善されないとのことでした。基板自体は見た目はきれいです。

メインスイッチを入れると電源ランプは付きます。しかし、立ち上がらない。ということはICに電源が届いているのかという疑いを持ち、ICに入る端子のVDDと印字された部分の電圧を測ると 1.9V 程度しか出ていません。0Vでないのがかえって悩ましかったのですが、とりあえず、電源からVDD端子へのラインを観察、測定してみました。電源は6V、VDD端子は1.9V。


途中に何かがある、ということでよく観察すると、ゴミのように見えた黒い点が実は腐食跡でした。基板の裏から光を当てるとすっぱりと途切れているのがわかります。


端子をジャンパ線で繋ぎ復活しました。洗浄後はきれいな基板で、まさかという断線でした。飲み物で腐食したのだと思います。



実はこの他にドキンちゃん人形のシンバルが動かないという症状がありました。古いタイプはモーター駆動だったのですが、これは電磁石で、そこにパルスを送って動かす仕組みでした。電磁石はOK、作動時の電圧を見ると他は0Vと数V程度を行き来します。ドキンちゃんは5.4Vで変化無しです。無安定マルチバイブレーターかと思って観察したのですが似てはいるがどうも正確なところはわかりません。コンデンサー、トランジスタのチェックをしてコンデンサー正常、Trが怪しい数値だったので交換しました。動かしてみると無事動いたのでほっとしました。

以上

2024年9月1日日曜日

ベイブレードバースト b-184

 ベイブレードランチャーの比較的新しいタイプです。

紐が引けなくなったということでした。原因はリールに紐がきつく巻き付いていただけでした。以前のものに比べて紐の質がよくなっています。また、逆巻きによってゼンマイが内部で変形するケースも多かったのですが、それも改善されています。

組み立てるときにゼンマイの初期巻き取りが出来ず困りました。ゼンマイの入ったギアがロックされているためです。

コツがありました。
ロックを解除するには透明のカバーをセットすればよいのです。その状態で3~4回分巻き取ってテンションをかけておく。

その状態で透明カバーを外すとロックされますから、組み立てればいいのです。最後に透明カバーを戻します。

ベイブレードについては、ネットにもたくさんの情報があります。

以上



2024年8月16日金曜日

今だからわかる「おもちゃを買った父の気持ち」

 アラフィフの女性から人形の修理を依頼されました。40年ほど前にお父さんからおくられたおもちゃだそうです。

劣化が進み、内部の接続柱が折れ、モーターは回らない状態でした。何とか直して返却したときに、とても喜んでくれて、そのおもちゃにまつわるエピソードを語ってくれました。

「私が小学生の時、父が酔っ払っての帰り道、偶然見つけたおもちゃを買ってきたのだと思います。私に見せると『ほらこれ面白いだろ』と、とても楽しそうに動かして見せてくれました。私も喜ぶと思ったのだと思います。でも、私は、ちょっと気持ち悪いおもちゃで全然面白いともかわいいとも思いませんでした。おそらく冷ややかに眺めていただけだったと思います。父が一人で楽しんでいたのを覚えています。気に入らなかったのですが捨てもせず、そのままお蔵入りのままでした。

最近になってこのおもちゃが妙に気になり、父親の思い出が浮かび、自分が冷ややかな反応しかできなかったこと、それを父がどう思ったのだろうなどと思うようになりました。今になると父の気持ちがわかるような気がして、大切にしたい気持ちがわいてきたのです。

劣化で黄ばんでいて、セロテープの跡もそのまま、口のシールは剝がれかけています。ネットで調べるととても状態のいいものが出ていました。でも、やはり傷んだこの人形でなければ伝わってこないものがあるのに気づきました。ただ、動くようになればなおいいという思いで修理依頼しました。動かなくても大事に飾るつもりでいたのですが、動くとまたそれであの時のことを思い出すのです。うれしいです。」

そういって喜んでくれました。子供のころはお父さんとはちょっと距離感を感じる関係だったようです。でも自分が年を重ねてわかるようになったというわけです。よかったね、と一緒によろこぶことができました。彼女はこんな話もしていました。おそらくクリスマスの時の話でしょう。

「私が、人形が欲しいと父に言うと、クリスマスの日に買ってきて、夜、枕元にそっと置いてくれました。朝、目が覚めてみると確かに人形があったのですが、それはキューピー人形でした。私はリカちゃん人形のようなかわいいものが欲しかったのに。とてもがっかりして父には多分不機嫌な顔を見せたと思います。キューピー人形のほうが安かったんだろうと子供ながらに思いました。父はその時『サンタさんが、夜、やってきて置いていってくれたんだね。お人形が欲しいって言ってたから願いが叶ったんだね。よかったねえ」って。父は、子供のファンタジーを叶えてあげて、さらには、わたしが大喜びするとはずと、ワクワクしていたのかもしれません 今は、その時の父の気持ちがわかります。そのキューピー人形は手元にありません。でも、今回の、<気持ち悪い人形>を見ると、そんなことも蘇ってくるのです。」

おわり

  

2024年8月1日木曜日

オルガニート 30弁タイプ 修理不能

オルガニート記事は2度目です。


これまで見たのは20弁のものですが今回は30弁でした。

破損したのはいつもの紙送りローラーです。下の茶色いのがそれ。劣化でボロボロです。上のグレーのものは3Dプリンターで作製した20弁用のものです。
3Dプリンターで作製したのですが、どうやってもうまくいかない。
この他に、下のシャフトのはじくピンが汚れと錆で固着気味でした。これは分解洗浄できれいになりました。

思いあまってメーカーのサンキョー(現ニデックインスツルメンツ)に連絡したところ、以前に33弁のものを作っていたと言われましたが、この30弁は確かにサンキョーとあります。それはそうとして、現在は生産中止しているが部品が残っているかを調べてくれるという親切な返事が来た。結果的には部品がなく修理できないという返事でした。ちなみにローラーの材質を聞いたところ、シリコンゴムまたはウレタンゴムを使っているそうです。3Dプリンターのハードなレジンでは無理があるということですね。メーカーの丁寧な応対に好感が持てました。
Oリングを買って嵌めてみたのですがセッティングが微妙でスムーズに紙送りとピンはじきができませんでした。残念ながら諦めることにしました。
次善の策としてメーカーに相談して20弁のムーブメントに交換してもらうことを提案しました。共鳴箱はしっかりしているのでよく響くと思います。20弁だと曲のカードもいっぱい出ています。自分で作る事も出来ます。

オルガニートの構造(部品)です。(紙送りローラは写っていません)櫛歯の裏には先端にプラの薄板が貼ってあります。これは「羽根」というそうです。昔は羽根の軸を使っていたのでその名が付いたとか。一種の振動止めだそうです。
とても優しい音色です。このオルガニートを持ち込まれた年配の方もこの音に強く惹かれたそうです。オルガニートには根強いファンがいて、youtubeでは構造解説や修理法の動画がアップされています。見ていても面白いです。





2024年6月7日金曜日

ボーネルンドのモビール

 ボーネルンドのモビールです。錘が多数外れた状態で持ち込まれました。数十年前のもので施設で飾られていたのですが紐が次々に切れて壊れてしまいました。こどもたちにとても人気があったもので思い出もあるものです。メーカーに相談したところ、ドイツ人の職人さんが既に亡くなっていて修理できる人がいないと体よく断られたそうです。費用がかかってもいいからどうにかしてほしいと頼まれました。どこに何が付いていたのか不明で最初は途方にくれました。

まずはバランスと考え、一つ一つの錘とバーの重さを測り、長さを測って計算で出そうとやり始めたのですが微妙すぎてうまくいきません。どっと疲れてしまいました。

次の手はモビールをつるして、錘をかけながらセットしていく方法です。行き当たりばったりでうまくいくのか自信が無かったのですが、結局はこの方法が正解でした。

全ての錘に糸を通して輪にし、ぶら下げられる状態にします。そしてバーは全て取り付けます。

上からセットしていきます。1のバーの左側は壊れていなかったので、右側に残り全部がぶら下がると仮定し、ここは両方の重さと、支点からの長さで計算しました。残り全部が右側に来ればよいことがわかりました。

次に2のバーです。ここからは外れた錘を取り付けながらバランスが取れる組み合わせを見つけます。錘の数も考えながらです。色は後で交換できるので無視です。

そんな風にして順に下の方へバランスを取っていくと、写真の様な組み合わせでほぼバランスが取れました。白く見えるのが仮付けの糸です。


この組み合わせで、彩りよく見栄えよく錘を固定していきます。錘の間隔を決めるのに難儀しました。かがんで作業したため背中が痛くなりました。

できあがったのが下の状態です。一カ所だけ支点の位置を少しずらしてあります。


以上