ユメル、ネルルはよく持ち込まれます。年配の方が我が子のようにかわいがっていて、まるで家族のようです。何としても直してほしいという気持ちが伝わってきます。直す方も気合いが入るというものです。
眼球部、メカ部分に手を入れる場合を想定して、分解手順を記録しました。
<下準備>
①後頭部手縫い部分の糸を切り切開する。綿を取り出す。
②電池ボックス周辺を固定しているタイラップを切る。(写真の「この接合部も切開する」は必ずしも必要ではありません。切開した方が楽ですが切開しなくても作業は進められます。)
③頭部中央を縦に巻いているタイラップを切り、綿を取り出す。
手順1 電池ボックス内外分離 (裏側ビス4本)
手順2 壁(ピンク)と基板をスライドさせてはずす
手順3 基板を外す (ビス)
手順4 壁(ピンク)を頭部から外す (ビス)
手順5 首回りの押さえパーツ分割 (ビス)
手順6 頭部分割 (ビス)
手順7 眼球ブロック外す (ビス)
手順8 ギアボックスを外す (ビス)
*眼球を動かすアーム先端を頭部から外す
手順9 ギアボックスは3ブロックからなる
(1)アーム側カバーを外す (ビス)
*中央のギアシャフトは反対側まで貫通し,プーリーが付いている。このプーリ
ーはモーターからのベルトで駆動される。無駄にギアを動かすとベルトが外れ
てしまう。
(2)モーター&プーリー側
*アーム側中央のギアからのシャフトにプーリーが付いている
<組み立て>
組み立ては逆の手順。最後の電池ボックスははめ合い注意。中のリード線を噛ませない
こと、ツメが当たりやすいので確認して蓋をはめること。
その他、電池受けの錆。この電池ケースは内部に配線があり、そこが錆びると正常電圧があっても電流が流せないため不具合を生じることがある。しっかり接着してあるため分解はリスクを伴う。左右の手のスイッチ不良もよく見受けられる。スイッチ自体がだめな場合のほか、リード線の経年劣化で被覆が固化し折れて断線するケース、ハンダ剥がれなどがある。
※後日譚:後日ユメルの修理依頼がありました。動かなくなったというものでした。おばあちゃんが先日亡くなり、遺品整理をしていたところ押し入れからこの人形が出てきた。お孫さんが小さい頃にこの人形の声をおばあちゃんと一緒に聞いた覚えがあり、なんとかもう一度聞きたい。直してほしいというものでした。
電池受け接点はきれいだったのでモーターかもしれないと見当を付けました。分解手順をここで整理していたこともあり、後頭部縫合部分の糸を切って・・とやり始めたのですが、ふと電池ケースを取り出すと・・、参った!電池4本必要なところ、ケース裏側の2本が入っていない!急ぎ追加して試すと正常動作するではありませんか。 早とちりは失敗の元を地で行ってしまいました。
0 件のコメント:
コメントを投稿