2021年10月4日月曜日

クロックマン

 クロックマンというおもちゃです。バージョンがいくつかあるうちの一つです。


口と目玉が動かないとのこと.
このおもちゃは分解が結構厄介。それは後にして、原因と対応について。

電源ラインは正常なので、動かない原因を3つに絞りました。
 1,モーターをコントロールする回路の問題
 2,モーター不良
 3,動力伝達系(ギアなど)

モーターは2個あって、一つは口の両端、他方は口上部と目玉を担当しています。
チェックすると、モーターの回転が不安定と分かりました。交換です。
たまたま同じサイズのモーター持っていたのでそれにします。シャフト径が小さいのでプーリーも交換です。

これで無事修理完了しました。動いたときはほっとします。

分解について
口は4本のピンの頭を噛んでいます。これをはずします。

頭のボタンは2つのツメで固定されています。なるべく折らないように外します。

内部は4階建てになっています。
1F,2Fをネジを外して、順に外します。
3,4Fはネジを外すとセットで外れてきます。


3F部分にモーターなどがあります。赤丸がモーターとギアボックス
ギアボックスとモーター











位置センサーはプレートと2本のピンでできている。ピンは常時導通がある。



組み立ては口、目の動きが端から端まで連動するように位相を合わせます。

4Fのギアのかみ合わせと、ギアボックスから出る黒いシャフトの切り欠きがポイントです。















2021年9月11日土曜日

クランク状シャフトにギアを取り付ける

 両端がクランク状になった中央にギアが組み込まれていて、ギア割れで交換が必要になったとき、外すのはいいとして取り付けができません。

これがクランク状シャフトにギアがセットされた状態のモデル。

3Dプリンターの登場でそれが可能なケースが出てきました。

イメージは、ギア穴を六角で大きくしてクランク軸でもはまるようにし、目標位置で六角の楔を打ち込むというものです。

これは通常の真っ直ぐのシャフトにギア。


六角穴ギアと楔。3Dプリンターで作製しています。

ギアを曲がったシャフトにセット。
セットした状態。(打ち込み途中)

これはおまけ。仕上げ後すり合わせのための治具。

このギアは径が11mm、シャフト径が3mmです。小さなものだと、イメージは同じとしても3Dプリンターの精度で限界がありそうです。プリンターの性能があがれば細かいものにも対応できるようになると思うのですが。






イワヤの犬ぬいぐるみ 首折れ

 定番の修理品です。

首折れ が結構多い。というのも、接続部分がかなりひ弱で折れやすく修理も難しい。

折れ部場所はだいたい同じで、L形に曲がった部分。



これまでは折れ部分に「コマ」を組み込んで接着剤で固め、ビスで補強していた。上の写真もその修理後である。黒く見えるのが「コマ」で、ビスも見える。

が、今回はそれが再び折れたため別法を工夫した。

イメージは、本体側にL型のパーツを接着し、突起部を区部の穴に差し込む。写真中央がL型パーツ。左本体側は接着のため整形してある。


本体側の出っ張りをカットし、接着面を作る。

3mm厚の板をL型にカットする。先端は頭におさまってロックするように加工する。

当てがった状態。

接着とビス止めで固定。ビスは1,4mmタッピングネジ。

これで組み込み、その後固定の為ホットボンドで固める。(接着剤で固定すれば安定するが後の修理を考えるとホットボンドを選択)





2021年7月23日金曜日

バク転トーマス

 バク転するトーマスです。








バク転しなくなったというものです。

バク転するためのレバーが車体下部と上部(煙になっている)にありますが、それを動かすカム(クランク)が両方とも割れていました。形が複雑なのと変形がひどく補修は諦めて3Dプリンターによる作製です。















下のパーツはオーバーハングがあるため3個のパーツを結合しています。

スイッチ部分の摺動を確保するのに苦労しました。3Dプリンターとはいえ作図上は正確でも実際は微妙に変形が出るためです。FDMの場合は特にそうです。

取り付けた状態です。
















無事動いたときはいつもながらほっとします。


後日、事情がありこれをお借りして分解しました。

組み立て時に2つドツボにはまりました。

一つは、右後輪シャフトがわずかに上下し、スイッチになっています。つまり荷重がかかってシャフトが持ち上げられていないと動きません。テストは分解した状態、車輪を浮かせた状態でやることが多いですから動かないのです。これを忘れていて、電源系、各スイッチ、カムの初期設定などいろいろと調べる羽目になりました。

二つ目は電池です。1.48Vあるので安心していました。ところが、前後進は動くのにバク転が途中で止まってそれきりになる。これも散々迷いました。偶然別の電池を入れたところ元気よくバク転しました。電池チェッカーで無負荷だと1.48V、10Ω負荷だと1.2Vしかありませんでした。電池が弱っていたということでしょう。

2021年6月5日土曜日

アンパンマンお風呂

水遊びおもちゃです。


蛇口のハンドルを強く回しすぎたためバルブもハンドルも破損してしまいました。

バルブは3つ以上に割れていて、ハンドルはストッパーのピンが折れていました。下写真は修理途中です。黒く見える穴の部分に柱が立っていなくてはいけません。


バルブパーツは3Dプリンターで作製します。オーバーハングの影響を減らすため2つのパーツを作って後で結合します。


整形後、圧入して結合です。


できあがったパーツと元のパーツ(仮接着してある)

ハンドルはピン折れだが、固定するためのパーツとともに作製した。固定は壁の隙間を利用する。写真は作ったパーツとセットした状態。元のピンの基部は除去してある。

この穴にφ3mmのプラ棒を刺す。ハンドルとバルブを結合するとこんな状態。ピンがバルブ溝にかみ合っているのが見える。このピンが蛇口の溝にはまり、ハンドルの回転を90度に限定している。


蛇口にセットすると

ということで無事修理完了です。

実はこのおもちゃ、アンパンマンが動かないという症状もあったのですが、ピニオンギア割れでした。11Tというちょっと珍しい歯数でした。これは交換で無事完了。







2021年5月28日金曜日

fisherpriceバイリンガルスマホ分解

このおもちゃ


 ケースを割るのに苦労します。6本の接着柱でグレーのケースと白い蓋がガッチリ接着されています。

グレーの側面から刃を入れます。最初は柱の位置に紡錘状に溝をほり、そこから超音波カッターやヒートカッターの刃を差し込んで手早く柱だけをカットします。黒点が柱の位置、赤はカットしてはいけない柱があるので避けます。


横から見た位置は重要です。実際は写真の溝より左側、製造時の境目のライン近くがいいです。



組み立ては表側からビスで固定します。


2021年3月23日火曜日

プリント配線のスイッチ復活

 歌を選べる絵本です。


1列だけ音が出ません。

プリント配線の共通ラインが切れていると推測して開いてみます。


共通ラインをよく観察すると、ここが切れていました。基板へのコネクタ付近です。

裏側がボディの出っ張りに当たっていて、そのため無理な力がかかったのが原因かと思われます。

どうやって繋ぐかですが、プリント配線はフィルムの内側で、反対側はシールされていて、外からはコンタクトできない状態です。かといって貼り合わせたフィルムを剥がすと、他のラインを切ってしまうのが目に見えていてできません。

あきらめかけたときがアイデアを生むチャンスと日頃感じていましたが、今回はフィルムの一部をカットして浮かせ、内側にジャンパ線を潜り込ませる方法にトライしました。

フィルムをベロ状にカットし、隙間を作る。


基板から引っ張ってきたジャンパ線の端を滑り込ませて、ドータイトを流し込む。


ここで一つ失敗。ドータイトが中で流れて反対側のスイッチ端子に触れてしまいました。どの音も出なくなってしまいました。壊したかと焦りました。

対策は反対側にしみこんだ部分をフィルムごとカットです。


これで音が(スイッチが)復活しました。

ちょっとばかり、やったー!感を味わいました。




キーボード ノイズの原因

 アンパンマンのキーボードです。音がビリビリと割れます。


まず疑ったのはスピーカーです。

左右に1こずつあるので1個ずつ外してみてもやはり割れます。問題はスピーカーではありませんでした。

次は、モーターからのノイズを拾っているのではという疑いです。コンデンサーは組み込まれていましたが、念のためもう1個噛ませても症状は消えません。

そこでちょっと足踏みしてしまいました。

思い当たったのが、モーターのトルクがちょっと弱いということです。ブラシが摩耗しているとノイズは増えるのではないかと推測してモータをばらしました。

こんな状態でした。


問題のブラシはこうでした。(洗浄してある)


これではノイズに出て下さいといわんばかりです。(トルクも出ません。)

交換して組み込むと・・音割れは解消していました。トルクも復活です。

ブラシ摩耗はこんな現象も起こすというのは私的には発見でした。