2018年12月26日水曜日

リムドライブのプラレール

年配の女性が持ってきました。
動きません。
古いものだけど何とかしてほしいと。

裏にMade in Japanとありました。


スイッチは先頭にあるレバーです。
動輪の間にあるレバーは前進後進を切り替えるレバーです。
どういう仕組みになっているのか気になります。


まずはギアボックス。
もっと古いものはスチールで,ギアも真鍮ですがこれはプラのケースです。
今のプラレールのケースに外見は似ています。
リムドライブであることがわかります。


ネジ1本と鉄板で固定しています。
ブリキ時代の名残を感じさせます。


内部は単純です。
リムドライブのゴムが劣化して固化しています。


軸受けにはなんとハトメがあてがわれています。

いいですね!こういう配慮。

で、問題の原因はモーターのグリス劣化、固化でした。
内部清掃、グリスアップで回復です。

ところで、このモーター何か変。
シャフトの長い方が一般的なものとは逆です。
マブチモーターですがね。

さて、進行方向切り替えの仕組みです。

レバーが対になったクラウンギアを上下させ、回転方向を変えていたのですね。
単純でよくできた仕組みでいいですね。
電子回路でコントロールするものとは違った良さを感じます。

ところで、このお客さんはもう1台電車を持ち込まれました。

プラレールではありませんが似ています。メーカーはTOMYとすぐわかりました。
どうしてかというと、進行方向を変える仕組みが全く同じだったからです。


レバーが対になったクラウンギアを動かします。

クラウンギアの動きがわかる写真を。



モーターが面白い形でセットされていました。


動かない原因はグリスの固化でした。
これは強制回転で回ったのでよしとしました。

楽しい修理でした。




2018年12月13日木曜日

やるね バンダイ リモコンカー

珍しいバンダイのリモコンカーです。
ステアリングの仕組みがなかなかでした。
トルクリミッターが組み込まれています。
まずはステアリングをつかさどるパーツたち。

ラック&ピニオンは当たり前ですが


負荷を逃がすトルクリミッター。




部品点数が多くてコストがかかっていそうです。

負荷を逃がそうという配慮がうれしいです。

いつもながら写真を取り忘れています。とほほです。


トミカ 高速道路 パトロールドライバー ツメの摩耗

トミカ 高速道路 パトロールドライバーという名前のおもちゃです。
キャタピラーのようなベルトが動いてミニカーが押される仕組みです。
ベルトを回すのは中にある大きな動輪で、それにあるツメがベルトの爪に引っかかって動かします。
故障は回転が途中で止まったり遅くなったりするというもの。
原因は動輪の突起がすり減ってベルト突起を乗り越えてしまうことでした。


ツメがすり減っていた。

最初は突起の内側を削って段差を深くしたのですがうまくいきません。
次にとった方法は、針金で突起を作るというものです。

0.5㎜の軟鉄戦を使いました。
裏側はこうなっています。

接着剤で固定します。
これでスムーズに動くようになりました。

プラバンを接着する方法も考えたのですが、相手が局面なので躊躇しました。

でも、ずいぶん前に同じものを修理した時は爪の位置に鋸で切れ目を入れてそこにプラバンを組み込んで固定し、ツメを修復しました。


2018年12月4日火曜日

へたばった犬?のぬいぐるみ

犬のぬいぐるみです。


歩くわけではなくもぞもぞしたり目を開けたりします。
ダルな感じのイヌで、これで癒されるのでしょう。

連続して2件受けました。
両者とも全く動かないという症状でした。

分解が難儀でした。
柔らかいプラの爪で固定されています。
これがちぎれそうで取れない!
ぶつぶつ言いながらの作業です。
足は4か所の爪。

横腹はそれぞれ2か所。

頭部も同じ固定法です。


結局一番合理的なのは爪の板と布の縫い目をカットして外し、組み立ては糸で縫うという方法となりました。
こんな具合。


針は愛用のカーブ針です。

で、肝心の故障原因は2つとも同じでした。
後ろ脚両方は電池ケースになっています。この端子につながる線が断線です。


赤線が断線です。
後で写真を見て青線が断線しているように見えて焦りましたが断線ではありません。
よく見ると訳が分かります。

断線箇所を特定するのにボディを割って基板を出す必要がありました。

やる前はイヤーな予感がして気が乗らなかったのですがわかってみるとなーんだの世界でした。
作りのしっかりしたおもちゃでした。

一つは預けに来た女の子が名残惜しそうにしていたというのを受付から聞いて順番を飛ばして急いで取り組みました。その日に返せてよかったです。



2018年12月2日日曜日

ふぐの一輪挿しと十字架のキリスト

こんなものが来ました。

フグの一輪挿し。尾部が砕けていて欠落もありました。
パズルを楽しむつもりで組み立てました。
白いのは石粘土です。



色を塗るかと思いましたが、このまま模様にするのも面白いかとそのままにします。
欠落した部分は裏にアルミメッシュを当てがってその上に粘土を盛りました。


一応表面に瞬間接着剤を浸み込ませましたが、花瓶としてはどうでしょうか。

もう一つはりつけにされたキリストです。

表の十字架をスライドすると蝋燭立てがあらわれますが、気持ち悪いのは使われた跡があることです。
気になりましたが引き受けることに。
症状は右腕の欠損です。
アルミ棒を打ち込んで骨にし、粘土を盛ります。
ちょっと形にこだわって。左手の手先が変なのでそうはならないように。
何度も修正しながら何とかなりました。仕上げで磨くといいのですがそこはご勘弁で。


2つとも楽しめました。


2018年11月28日水曜日

「新型」プラレール

初めて見たギアボックスでした。
新型かと思いきや2006年と書かれていました。
出会わなかっただけですね。


お客さんが分解し、組み立てられなくなったとのこと。
よくあるパターンです。

中はこんな具合でした。


ギアが割れていました。
小さなばねのすぐ下のギアを交換してあります。

実はもう1か所ギア割れがあったのですが(写真でわかります)
割れた部分の歯が薄いのとつながった部分が厚いので強度的には大丈夫とみてそのままにしました。

故障ではないのですが、この機関車にはトルクリミッターと「クラッチ」が組み込まれていました。

なぜそんなことに注目したかというと、以前にBRIOの機関車でウォームギアのタイプを診たことがあってトルクリミッターもクラッチもないのにちょっとした失望を感じたことがあったからです。子どもは必ず手押しします。ギアが噛んでいるときに押さえつけもします。トルクリミッターとクラッチは不可欠だと思います。
BRIOの名誉のために言うとちゃんとした作りのものもいっぱいあります。とりわけ遊星ギアを使ったものなんかユニークで面白かった。
同じウォームギアタイプですがさすがTOMYと感じました。


きかんしゃトーマス ヘンリー

機関車の車輪の連接棒が片方なくなってしまいました。


機関車の名前を調べました。黄緑には2つあって、車両番号3はヘンリーでした。

さて、こちはオリジナル。


こっちは作った方。

薄板を切って、2mmのプラ棒を立てました。
固定は棒の端を熱でつぶして鍔にしてあります。
後から加工はできないので、あらかじめ鍔を作った棒を裏から車輪に通し、そこにロッドを嵌めます。

何とか見栄え良くできました。(自画自賛)


2018年11月27日火曜日

jamesのバス

小さなバスです。
赤いからたぶんジェームスでしょう。


動きません。
ギアが3個割れていました。
モジュールは0.4で手に入らない。
タガを嵌めるにも内径が2.3mmや5.7㎜で、適当なものがない。

動輪につながる部分はハトメのタガが使えました。


モーターピニオンはクラウンギアとセットでm=0.5のものに交換。

干渉を避けるため少し削ります。


最後はボス部が5.7㎜のもの。これは平ギアを細工してタガを作りました。
隣りのギアと干渉しないように外径を小さく削ります。



修理後のギアボックスの様子。


無事に動くようになりました。

2018年11月20日火曜日

ブリキの機関車 古いモーター

レトロな機関車です。


箱には「TM」をデザイン化したロゴがあります。
たしか野村トーイの関連会社だったような気が・・

動かない原因は2つ。
一つ目はモーター不良。


古いモーターです。
ブラシを固定している「紙」が割れていました。


作るしかありません。
厚いプラバンを加工し、リン青銅板で作ったブラシです。


固定は元あったツメを利用しました。
それにステンワイヤーを回して補強です。

無負荷で500mA、負荷をかけると1、5Aも流れました。
これでは電池が持たないと、ミニ4駆用のシャフトが両方に出たものを組み込みました。
ところがどっこい、こちらは負荷をかけると3Aほども流れます。
結局元に戻す羽目になりました。
ばらして組んでを何度繰り返したでしょう。ブリキのツメが折れないか気にしながらの作業でした。

次は、ひどい固着です。
最初はグリースの固化かと思ったのですが違いました。
この機関車は煙を出すようになっていましたが。そのための「油」が漏れ出して酸化し固化したものです。グリースより厄介でした。
先頭部を動かす部分はこんな状態です。
ここはさらさらと滑らなくてはいけない場所です。
これをはがすのが大変でした。



煙突のある部分が動くのですが、そこもばらして清掃です。

端子の錆を磨き取り、導線を交換して完了です。

これで動くようになりました。
煙はオイルを加熱して出す仕組みですが、この回路はカットです。

汽笛の音はファンを回してオルガン風に出します。
いい音です。