2017年4月28日金曜日

タンバリン プリント配線導通不良

タンバリンの音が出なくなりましたとのこと。


光も出ません。
中はこうなってました。


何と!手の込んだ修理跡が見つかりました。
剝がしてみると、プリント配線が何か所も黒くなっています。
それをつなぎ、スイッチを自作してありました。(テープは修理途中のものです)


導通不良個所が多すぎるので、すべてジャンパ線で基板に直結し、
スイッチは銅箔テープで作ることにします。プリント配線の不要部は削り取ります。
カバーには導電部分があってそれが接触してスイッチになります。
カバーの導通部分は幸いに生きていました。


ジャンパ線はモーターのコイルのものを使いました。細さがちょうどいい。


各線を基板にはんだ付け。


配線をちょっと整理して・・(見苦しいのはご勘弁です)


無事復活です。

アンパンマン玉入れ 交換ばね

アンパンマン玉入れのボールを飛ばすばねが折れてしまいました。
ばねは、1斗缶のふたでパッチンと閉まるやつのような動きをします。
強化ナイロンかジュラコンのようです。




ゼンマイのばねを切って使ったのですが、一つは固すぎ、一つは弱すぎで使い物になりません。半分あきらめていた時ふと思いついたのが竹です。
皮のほうをそぎ取りました。


いい感じです。ところが、いったん下向きにしなってから跳ね上がるのですが
何度か使うと、初期設定の微妙な下向きが出来なくなる。
そこで、弱すぎて一旦却下したゼンマイばねに登場してもらいます。
U字型にまげて竹を上から押さえて微妙な下向きを出すことにします。


これでうまくいきました。
ただし、竹は縦割れには弱くどれだけ持つかはわかりません。
壊れたらまた作るということで・・

後日追加:
強さが不安定でした。ばねも縦に割れてしまいました。
念のため、所有する施設に問い合わせると、古くなって廃棄するものが残っているというので、それからばねだけ取り出して交換しました。最初から問い合わせればよかった。



2017年4月20日木曜日

これは缶詰?

これは何でしょう? 雪印ネオミルクとあるぞ・・・


こちらは「マンジョウミリン」。今でもありますね。


答えはこれです。


おそらく50年以上前の、made in japan です。
戦後をまだ引きずっていて鉄が貴重品だった頃でしょうか。
あるいは朝鮮戦争で鉄が不足していた頃でしょうか。
ブリキのおもちゃには缶詰などのブリキが使われていました。

頭のボタンがなくなったのでつけてほしいとの要望でした。
ボタンは外れて頭の中に落ちていました。
一番の問題はそれを押したとき、ギアが切り替わって体を揺らす動きから口と目が動きシンバルをたたいて鳴く動きに変わらなくてはならなくてはいけないのにギアがうまく切り替わらないことでした。
いくつかあるばねを交換し、潤滑油をさして何とかなりました。
当時のおもちゃはよくできていて感動します。

ギアやカムの動きを説明するのは難しいので、メカ部分の写真で・・。
曲がったアームが頭のボタンにつながっています。


最初に動くリンクの部分。下のコの字のあるアームなどが動いて、

ギアのついたシャフトを動かします。ギアが少しすり減っています。


反対側 複雑な形のカムが回って・・上の板を動かして・・・口が動く。


口を動かす仕組みは、はさみのように見える部分です。


鳴き声は、平ギアで板バネをはじき、紙箱で共鳴させて出しています。

ということで、何が何だか自分でもわからない説明になってしまいました。

古いもので、なんでもプレミアがついているそうです。
それは直すほうとしてはどうでもいいことで、むしろ昔の人の工夫に出会って感動するありがたい機会です。

2017年4月14日金曜日

これはおもちゃ?木彫りの人形

木彫りの人形2点です。
おもちゃとは言えませんが、嫌いじゃないので引き受けました。

1点目はアフリカの女性像です。
腕がなくなっています。素材は黒檀のようです。


手に入る素材で削り出し取り付けました。
色は靴墨です。

何気ない腕ですが、元の腕は細くもちゃんとからだのつくりに作られています。
まねできません。体をよく観察していると感じました。

2点目はインドネシアの男女像です。
男女の腕がなくなっています。ヤシの葉もです。


詳細に彫られているのがわかります。
表情やしぐさに感情が表れているようで見事です。
どんな刃物で彫ったのかも興味をひきました。
素材の木は柔らかく年輪が目立たず、きめ細かい感じです。

作ってみました。色は再現できません。


2点ともなかなかのつくりで、修理しながら目を楽しませてもらいました。





2017年4月9日日曜日

古いキューピー人形 ゴムの劣化

キューピー人形が持ち込まれました。(写真は修理後の状態)


ゴムで手足を引いて「固定」されているはずです。
ゴムが劣化して手足がばらばらです。
ゴムを交換します。伸びがよく劣化しにくいウレタンゴムを使いました。


固定金具を入れるために穴を少し広げて、


作った金具を差し込みます。一旦差し込めば内部で横になり抜けません。


ミルク(水)飲み人形です。口からお尻につながるゴムパイプは固くてぼろぼろと折れます。シリコンゴムパイプに交換です。


端の部品を取り付けて中から通し、


はんだごての熱で広げて固定です。

顔を清掃して完成です。

取りに来たお客さんは私と同年配ぐらいで、自分が子供のころのおもちゃで50年以上前のものだそうです。思い入れがあって捨てずにおいたそうです。
とても喜んでもらえてこちらもうれしく、力づけられました。
こういう修理はいいですね。

「泳ぐ」新幹線

風呂の中で遊べる新幹線。糸が引き込まれなくなりました。


紐が巻き付いているプーリーにもう2回ほど巻きつけて張力を大きくしたら大丈夫でした。


原因は、おそらくですが、強く引きすぎて目いっぱいよりさらに引いたためプーリーが空回りしてずれたのではないかと推測しました。

限界近くのひもにに2か所マークを付けて、これが出たらそれ以上引かないでとアドバイスしました。

ライオンキングのライト

ライオンキングのライト。2つ持ってきて、一つが点かないとのことです。

中はこんな構造です。単純です。


導通を調べたのですが、どうもわからない。
スイッチもばらして確認。基板の接点も改良・・・


こんな単純なのにと思いつつ時間ばかりが過ぎます。

原因は意外なところにありました。
LEDの足のはんだが「浮いて」いました。
足には着いていたのですが、基板には着いているようで着いていない状態でした。


そういえば、はんだが融けてはいるのに相手によくついてない状態を少し前にも見た覚えがあります。
はんだ付けははんだ自体の溶融とともに相手の温度が非常に重要と教えられました。

バルタン星人 骨折

孫のおもちゃ。
足首骨折です。兄弟で「たたかい」をやったのでしょう。



しっかり固定したいので、単なる接着でなく芯を入れることに。
芯はメッシュアルミ+エポキシですが、どっぷり入れると重厚になるので発泡スチロールの芯を入れることにします。


ブーツの下部のスペースも発泡スチロールで埋めます。写真は押し込む前の状態。


エポキシを流し込んで固めて完成です。
しっかりつきました。


むこうのおじいちゃんに買ってもらったもののようです。
私なら買いませんが・・・

足の裏にホットボンドをあてがって倒れないよう調整しました。