2019年12月26日木曜日

3Dプリンターでプラレールスイッチレバー

3Dプリンターでプラレールスイッチレバーの長いタイプを作ってみました。

真ん中がオリジナル。左が金具を付けた状態。右はレバー部分のみ。
取り付けるとこんな具合です。


作るにあたって一番の問題はオーバーハングです。庇のようになっていると積層できません。プリンターはやむなくリブを作ってその上に積層するためきれいにできません。


そこで、2つのパーツに分けて作る方法をとりました。

これだと下から上に積みあがっていきます。左のパーツは逆さに作っていきます。

この2つを結合する方法は木工の「蟻継」を使います。



右は結合途中。左は結合後。
接着材を併用して固定します。

金具はハトメで止めますが、回転止めは写真左側の爪を曲げてはんだごてで食い込ませます。


折れやすい回転軸穴部分は厚く太くしてあります。自作はこういう加工ができて便利です。

2019年12月17日火曜日

アルプスというメーカーの救急車

おじいちゃんが孫のために出してきた救急車です。


メーカー名は「ALPS」とありますが聞いたことありません。made in JAPANです。


開けてみるとがっしり作ってあります。
スイッチは昔のラジカセを思わせるレベルです。
スイッチ裏側

スイッチの下側





「動かない」という訴えでした。
電池受け金具のハンダ不良がありました。その他接点を磨き復活です。

2019年12月15日日曜日

木のおもちゃ ねじ作成

木のおもちゃです。
パーツのネジが壊れました。太さが単3電池ぐらいあるものです。
これまで何度か目にしました。ネジ部の木目に沿ってネジ山が欠けてしまうのです。
これまではあきらめるか間に合わせの応急処置でしのぐかでした。
今回は3Dプリンターで挑戦してみました。

見本のネジと3Dプリンターから取り出したばかりのネジです。


リブが残っています。下から積層していくので「屋根のようにオーバーハングしている」と自動的にリブが付きます。仕上げでカットしなくてはいけません。

リブをカットした状態。


組んでみると・・上出来でした。


これで木のねじ破損は修理できます。
ただし、上記のネジは3時間かかりました。とはいってもセットさえすれば放っておけばいいので楽なものです。


ドイツで買ったオルゴール

旦那さんが40年ほど前にドイツで買ったオルゴールだそうです。


丁寧なつくりです。
塗装は白の下地がしっかり入っていました。塗装が剥げて下地の出た部分がありました。
また、裏ブタをはがすときにヘリの部分がぱりぱりと剥がれて下地が目立ちました。
そこはアクリル絵の具で控えめに修復しました。

オルゴールですが、中身に興味がありました。
ひょっとしてサンキョーか?それともドイツのムーブメントならどういうものだろう?
以前、ウィーン土産のオルゴールを分解したら香箱に「SANKYO」とあったことがあるのです。

さて、中身です。


ギアのほとんどは金属を使っています。香箱の上に乗っているのは巻きすぎ防止の仕組みです。


香箱にある文字を読むと、「Swizerland」の文字がありました。
さすがです。

注油で動くようになりました。

ゼンマイハンドルがひび割れていたのは真鍮パイプタガで補強です。(SANKYOのハンドルに替えるのはためらいがありました。)
屋根の小さな天使は接着で固定です。
塗装は難しいです。これからのテーマです。

作りのいいものを目にするのはいいものです。これを見るとSANKYOがスイスのオルゴールをコピーして、安く作って販路を広げたことが推察できます。

返却は来月です。




2019年11月27日水曜日

うんてんしようのりものデラックス パーツ作製

「うんてんしようのりものデラックス」というおもちゃのハンドル部分軸が折れてしまいました。


力がかかる部分です。家庭で接着しようとした跡が残っていました。
右が破損したパーツです。本来ハンドル裏側に付いていました。写真のオレンジ部分にあったものです。(オレンジは作成したパーツ取り付け後)


3Dプリンターでパーツ作製しハンドル裏に接着しました。中央の突起はクラクションにつながる棒です。











接着のためのフランジを付けています。形は接合部は相手に合わせ、他は強度を考えて変更してあります。3Dプリンターのいいところはそういう変更ができるという点です。
これがプリンターから取り出した状態。下はクラクションスイッチにつながる軸です。



これを本体に組み込んで裏からビス止めします。

今回は3Dプリンター有効でした。
データ作成から出来上がりまで約1時間でした。

2019年11月21日木曜日

合体?変身?おもちゃ

何という名前でしょうか?
掌に乗る大きさで上半身が折れてロックされ、ボタンを押すとぱちんと基に戻るものです。


折りたたんだ状態。親指がふれているボタンを押すとぱちんと元に戻る。


上半身を折るとロックされるツメが内部で引っかかる。

上のロックツメがかむ相手が内部にある




ロックされない原因の一つはロック板を押す部分がロック板を押しきれない点でした。
当て物をして解消です。上記写真の爪が押される部分に透明の当て物がしてあります。
これでツメが十分押されてロックします。

二つ目はバネの破損です。
バネ線で作製し、組み込みます。
バネのある部分。


作成したばねと破断したばね。


ばね作成は2mmドリルとバイスを利用。線を強く引っ張りながら巻いていきます。
上写真の太さは太過ぎで、1段細いばねが適当でした。



2019年11月20日水曜日

思い出のオルゴール

オルゴールの修理依頼です。

お母さんが子どものころおじいちゃんからプレゼントされたもので、今度は自分の子供にあげたいということで持ち込まれました。
箱の裏のシールにその証拠がありました。

曲名が「ユーアーマイサンシャイン」! 泣けてきます。

何度か見た作りのものです。実は私の子供にも買ってあげたもので何度か修理して今も動きます。
原因は風車を固定するカシメが緩んでいたことです。
ビスで止めなおして回復しました。

2019年10月13日日曜日

パイロットヒコウキ

珍しいおもちゃです。おもちゃもメーカーも初めて目にしました。


メインスイッチでランプ点灯。エンジンONでプロペラが回り、滑走路が動き始めます。

左のスロットルレバーをHIに動かすと回転が上がります。(プロペラと滑走路が連動)
中央のオレンジのレバーを手前に引くと機体が上がり車輪が格納されます。着陸時には車
輪が格納されます。


凄いリアル感です。

故障は全く動かないというもの。
電池受けの錆破損。各スイッチ接点の導通不良。断線。ギアのずれ。モーター等の軋み。
など経年によるものがほとんどでした。車輪の脱落ランプカバーの紛失もありました。一つ一つ見つけては補修で対応しました。



どうにもならなかったのが対面の鏡です。通常の鏡はメッキの上にガラスをかぶせてありますがこれはメッキむき出しでした。酸化してくすんでいます。こするとメッキが剥がれます。お客さんと相談してそのままにします。

箱付きで、何か受賞のシールが貼られています。プラスチックおもちゃ云々とあります。時代を感じさせます。そうして日本の産業の基盤が作られてきたのですね。
楽しいおもちゃでした。博物館行きの一品です。



2019年9月20日金曜日

ドイツ製ブリキのおもちゃ

ビリヤードをするゼンマイおもちゃです。

男の持つキューがセットされた球を撞くと微妙なV溝をころがり左の穴に入ります。












球は回転する赤いローラー内に落ちて持ち上がり、セットする場所にころがっていきます。

そこにはわずかなへこみがあって球がセットされます。
いずれにしても微妙な勾配をうまく利用しています。



ドイツ製でした。


不具合はゼンマイが巻けないというもの。
原因はゼンマイの内側端、軸に巻き付く部分が折れて空転していました。
残ったゼンマイの端を曲げて軸にセットしようとしたところすぐに折れてしまいます。
次々に曲げても同じ状態です。
どうも素材が悪いか焼きなましが悪いかどちらかです。ドイツ製なんですけどね・・
端から数㎝を捨ててまげて大丈夫なところを見つけてセットしなおしました。
ところが今度はゼンマイが戻るとき途中で空回りです。ギアが滑ったような状態です。

原因を探るためにはギアボックスを取り出さなければなりません。


ハンダでしっかり止めてあるのでやむなく脚を切り離しました。材は真鍮でした。
(写真は修理後 つないだ後)
原因は最初の修理でギアボックスを組むとき隙間から固定爪を曲げざるを得なかったため緩く、そのためギアがずれて噛み合いが外れる状態でした。
ギアボックスの板を修正し、しっかり固定すると空滑りはなくなりました。
切った脚の固定です。パイプになっていたので中にピンを通して固定しました。

塗装が傷みましたが動きは復活です。外観の傷みは当然事前了解を得ています。

ハンドルも紛失していて、有り合わせの金属ブロックを加工して四角シャフトに合うように作りました。四角穴があいていたのですが大きいのでリン青銅板を当てて調整です。



なんでも1万円と言われたのを動かないというので1000円で手に入れたとか。
でも、修理費はゼロです。私は売買には関知しません。自分のスキルアップと面白いおもちゃに出会うのが楽しみなだけです。その上お客さんに喜んでもらえると何よりのぜいたくです。