2017年3月28日火曜日

犬のぬいぐるみ 骨折熱溶着

おなじみのぬいぐるみ、おなじみの骨折です。


左前足の軸受け部分なのでスペースがありません。デンタルフロスで縫います。
複雑な場所なので、一気に締めることができず、まず糸を通してから順に引き締めます。











しかし、噛み合いの部分にはごらんの通り糸が出ていて、相手側(左のパーツ)が回転して当たるのでそのうち切れるのが目に見えています。



そこで熱溶着にチャレンジしてみました。
使ったのはポリプロピレンです。(下の棒状の物 ファイルの留め具部分)
はんだごてで溶かしながら基材と一体化させます。


これでかなりしっかりしました。

見るともう一つ、おなじみの折損がありました。リンクのアームを支える軸です。
片割れが残っていますが、すぐに折れるのは目に見えています。


修理です。
切り取って面をならし、プラ棒をビスで固定しました。
いつものことなので写真は撮りません。



2017年3月26日日曜日

メリー モーターブラシとベルト

メリーが回転しません。
アーム部分の端子に直接電圧をかけても回転しないので分解です。

まずは白いカバーを外します。
カバーは3つの爪ではまっています。
折らないように丁寧に。(1本おっ欠いてしまいました・・)


本体を割るときにガイドローラーの1本だけが固定ピンになっているので強引に外します。先端はローレット加工してあります。(写真は少し頭が浮いた状態)



ゴムベルトがこんな状態でした。ウレタンベルト(バンコード)で作ります。




モーター自体もだめです。分解するとブラシはこんな状態に。

先端が4本に分かれていて元の部分にはゴムが当てられています。
念の入った作りです。
先輩ドクターによると静音モーターで、回転数も低いとのことです。
赤ちゃんには騒音は禁物ですからね。
別のタイプ(メーカー?)のメリーでモーターの保持をゴムにするなどして騒音を抑えるものも見たことがあります。そのときはなかなかと感心しました。

このブラシは一体型で差し込まれた状態です。
しっかりした土台の上で押し込んで外します。(その前に抜きやすいようにブラシのロックツメをつぶしておきます。)


4本のうち3本残ったほうは整形してそのまま使い、他方は0.1mmリン青銅板を幅1mm以下でカットしてはんだ付けします。先端のU字加工はちょっと厄介ですがやっておきます。


モーターの回転もいいのでくみ上げます。
ガイドローラーの向きを間違えずに。(逆にすると蓋がよく締まりません)


メリーには別のメーカーのものもあるようです。これはどのメーカーかチェックし忘れました。


2017年3月25日土曜日

犬ぬいぐるみ はんだ付け剥がれ

犬のぬいぐるみが動きません。

手縫い部分から開きたいのですがなかなか見つかりません。しっかり縫われています。
千枚通しでやっと見つけました。












頭の後ろから背中にかけて開きます。
















原因は電池受け金具部分のはんだ付け不良でした。
電池受け金具は熱容量が大きいため温め切らないうちにはんだが融けて騙されたようです。金具にははんだの跡が全くありませんでした。











熱容量の大きなものは要注意です。
私も電源装置を作ったときにスイッチの金具にはんだ付けを失敗したことがあります。

電池受けはすべて+が手前側になっています。


このためすべて分解しないといけなかったのですが、使い勝手でいうと親切なつくりだと思いました。工場での製作の手間は増えますが、お客さんの電池の入れ間違いが少なくなります。
これまであまりいい印象を持っていなかったI社製のぬいぐるみでした。
再はんだをして無事回復です。

板金職人Eさんのはんだ付け

Eさんは現役は引退していて、おもちゃ病院に来ています。

おもちゃは昔の消火ポンプで、横パイプが外れていました。
Eさんのはんだ付けを見学できました。

こんなおもちゃです。(修理後)

はんだ付け部分はこんな具合でした!
熱容量の大きなコテを使って一気に付けていました。
色はマジックで・・はご愛敬です。

見事です。

2017年3月19日日曜日

クマぬいぐるみ 四角シャフト軸受け

クマのぬいぐるみの腕を動かす軸を受ける部分がなめて空回りします。
シャフトと軸を受ける部分です。


軸受け部にエポキシを流し込んで隙間を埋め、ピンで固定します。
エポキシは軸受け穴に流し込み、ドライヤーの熱を加えます。
するとエポキシはさらっとして隙間を埋めやすくなり四角シャフトと密着します。
かつ早く固まります。
注意点はエポキシがあふれてギアボックス側に固着しないようにすることです。
ちょうどよい量を使います。
ちょうどよい量は勘です。そしてあふれた部分はよくふき取ってから組みます。

固まったら軸受けとシャフトに貫通穴を開け。


太めのゼムクリップを差し込みます。


余分を切って整形して出来上がり。


エポキシだけでもかなり強かったのですが、人からの依頼物だったので念には念を入れて。

2017年3月16日木曜日

犬のぬいぐるみ デンタルフロスで縫合

犬のぬいぐるみが全く動きません。
昔、お父さんからプレゼントされた思い入れのあるぬいぐるみだそうです。
気合が入ります。


中を見ると折れや割れが複数個所あります。
後ろ足の軸はプラ棒をビスで固定。
反対側にドライバーが入らないので、まず外側からタッピングネジをねじ込み、
頭を落として整形し、プラ棒をねじ込みます。(逆の順番がよかったかも)


ボディーの割れはステンでは強すぎるのでデンタルフロスで縫合。
使う「糸通し」は写真の通り2.3mmステン線です。
糸を固定するための接着剤は「サイレックス」です。
ふつうはエポキシを使いますが相手が薄く柔らか目の素材なので使えません。



ボディーの軸受け穴の補強はハトメで。


ふいごの穴をふさぐのも「サイレックス」です。


頭部にあるシャフトの末端は網戸のゴムです。瞬間接着剤で固定します。


これでまた元気に動きます。
大切にしてくださいね。

ビニールのアンパンマン パンク穴

起き上がりのアンパンマン。
空気が抜けます。


さてどうやって穴をふさぐか。軟質塩ビは接着が難しい。
試したい接着剤があります。ボンド「サイレックス」です。
柔らかく強く固まります。
ドクター仲間から少し分けてもらいました。


表面を脱脂して接着します。
こんな具合です。


1時間ほどでべたつきがなくなりますが、箱には完全硬化まで5,6日とあります。
水につけてチェックしましたが空気漏れはありません。柔軟性もあります。
いい感じです。

この接着剤は犬のぬいぐるみのふいごの穴塞ぎにも使いました。

2017年3月12日日曜日

フライホイールの電車 ギアと固定

フライホイールで動く電車が動かなくなりました。
動かすとすかすかです。


早速ばらしてみると、ギアが割れてばらばらになっています。
平ギアとピニオンの組み合わせギアです。


モジュールは0.6でした。
ピニオンは持っていますが平ギアに固定ができません。
別々に軸に固定することにします。
問題は平ギアです。本来は軸に固定されていないのでスカスカです。
リン青銅版を軸に巻いてそこに平ギアを押し込むことにします。
何とか、といったところです。


今度はギアボックスの固定爪が折れているのを見つけました。
子供が上から強く押さえたのかもしれません。


反対側のビス2本ではすぐ壊れます。プラバンでで固定です。
厚めのプラバンをビスで止めてあります。


完了です。

しゃべる言葉図鑑 本のコイル部分

しゃべる言葉図鑑が来ました。
引き受けるのに躊躇しましたが、意を決してやることに。
でも内容は「ペン」ではなく、本の部分がはずれたというものでした。


一番下の穴(コイルを受ける部分)がすべて切れて本が離れています。
このページは下の台紙にぴったり貼り付けられていてはがせません。
ひとしきり考えて、思いついたのが軸をコイルに通してしまう方法。
手持ちのプラ棒も木の棒も長さが足りません。アルミの針金で代用です。
へなへなですがご勘弁です。


針金の固定は台部分の上下に穴を開けました。


強く引っ張らないでとお伝えして返却です。
これでまた使えると喜んでもらえました。
その言葉を聞くとこちらも満足です。

犬のぬいぐるみ 古いモーター

おもちゃ図書館のものです。
頂き物ですが動かないとのこと。


定番のチェックの後、分解です。
古いぬいぐるみは布をはがすとき気を使います。
破れている部分がすでにあります。


メカ部分。
モーターは一昔のもののようです。


モーターチェックです。
台湾製でした。
ブラシはスプリングです。整流子のほうが負けて切断状態でした。


交換しかありませんが、同じモーターは手に入りません。
130で代用ですが、固定するのにひと工夫が必要でした。
固定用の鉄板を削り、反対側はプラバンを加工してフィットさせました。




電池ケースの蓋を受ける固定部が紛失していたので磁石で固定することに。


これで図書館に来る子供たちも遊べるでしょう。