2017年12月24日日曜日

ソフビ人形 アメリ 骨折

アメリという人形だそうです。
リカちゃんより大人っぽいですね。
首と股関節折れです。



先ずは股関節から。
受け側は折れた先が埋まっているのでリューターでえぐります。


「大転子」はプラ棒を丸く削って作製。旋盤代わりにドリルを使いました。


ビスで止めて胴体側に押し込みます。


首はジョイントパーツが首の中に落ち込んでいて取り出せません。
作ることにします。旋盤代わりのドリルが活躍です。



無事つながりました。


ちょっと緩かったので、太目の糸を押し込んで少しきつくしました。

こうしてみると子どものおもちゃというより大人のおもちゃですね。




2017年12月8日金曜日

なでネコ?

なでると鳴くネコのぬいぐるみです。
鳴かなくなりました。


中を開けてみるとこんな具合です。


センサーが3つとタクトスイッチが一つ、導線だけのセンサーが1本組み込まれていました。
タクトスイッチは清掃です。
センサーはこんなものです。夢ネコなどにも使われています。


コードはシールド線です。
心線が1本銅箔にはんだ付けされていて、シールドは写真の通り解放されています。
原理はよくわかりません。
このうちの1つが断線していました。はんだ付けしました。

裏返しで作業しました。この後また裏返して綿を入れて完了です。


ところで、導線だけのセンサーはこんな具合です。
青い線がそれです。


中ほどに触れると不機嫌な声を出します。
どうして1本線だけでセンサーになるのだろう?

結果的には直りましたがわけのわからないぬいぐるみでした。

この配線はまた切れるような気がします。
こどもはぬいぐるみをぶら下げたり曲げたりすることがあります。
するとこの構造では線に負担がかかります。
抱っこするだけを想定しているのかもしれませんが、実態には合わないですね。
一工夫すればおもしろいおもちゃになるのに。





2017年12月7日木曜日

鉛筆削り ハンドル作製

施設で使っている鉛筆削りのハンドル部分が折れて紛失です。


仕事で使っているものなので最優先です。

ハンドル部分は他のおもちゃの一部を切り取りました。
柄とつなげる部分はポリカの厚板から切り出し。
それを柄にビス止めです。
軸はプラ棒です。




これで無事修理完了です。

番外編でした。

2017年12月5日火曜日

スクイッシュ ボーネルンド

スクイッシュという幼児用おもちゃです。(写真は修理後)

ゴムの張力で形を保っていて、振るところころと優しい木の音がします。
赤ちゃんにはぴったりですね。
ボーネルンドという会社が販売していますが、アメリカのマンハッタントーイ社からの輸入品です。

ゴムが緩んで形が崩れてしまいました。
結局ばらばらにしました。(左がバラバラ状態のもの、右が正常状態のもの)


ゴム1本でつないであります。
一筆書きでつながなければいけません。
展開図で考えることにします。アルファベットは色、黄色は棒の先の球に開いた穴です。
数字がゴムひもを通す順序。穴の反対側に必ず抜けなければいけません。


これで紐を通す順序はできました。
次は張力を調整しながら形が崩れないように紐を通すことです。
試行錯誤の末、結局この方法に行きつきました。
こうすると紐が最小限の長さでつなげられます。


通し終えたら張力の調整です。


ドキドキしながらテープを外します。


何とか完成です。
正常なものと並べてみました。


お客さんがとても驚き、喜んでくれて、感動を分けていただきました。
いつもながらこれがいいですね。
贅沢な趣味です。
元気も出ます。





鉄琴の音が響かない

施設のおもちゃです。
音が響かないので捨てるというのでストップをかけて引き受けました。
2種類ありました。(写真は鍵盤の物)



音が響かない原因は音板を支えるスポンジの劣化です。
フェルトに交換します。
スポンジがへたっているのがわかります。
白いのが交換用フェルトです。


問題は音板を止めるピンが抜けないことでした。
5mmシャフトでがっちり打ち込んであり、先端はローレット加工です。


どうやって抜いたかというと、90Wのはんだごてで加熱して、周りが柔らかくなったところで抜きました。それでもなかなかでした。


無事音が復活しました。
いい音です。
電気の音にはない響きがとてもいいです。


2017年11月16日木曜日

トミカ 立体パーキング タイムズ

2つあるエレベーターのうち右だけが車を乗せると上がらないというものです。
車を乗せなければ上がるとのこと。


手動で、中は事実に単純です。(写真は修理後)


ギア割れだろうとたかをくくっていたのが大間違い。
ギアはどれも正常です。潤滑剤も入れてみました。が、動きがだめです。
途中でロックしたり、負荷がかかるとギアが飛ぶ音がして動きません。
原因を突き止めるのに半日かかりました。最後は先輩ドクターのアドバイスでした。

原因はここでした。右側の窪み。


ウォームギアの左にある穴と窪み。軸受けです。
窪みがオリジナルの状態で力がかかると軸がこの壁に乗り上げてしまうのです。
左は対策のために穴を貫通させた状態です。
シャフト付きのギアを作製します。左がオリジナル右は作製したもの。


2個とも同じように対策しました。
右のギアは平ギアとピニオンの結合したものですが同じものはありませんので、それぞれのギア穴を2,9mmとしてから3mmシャフトに固定しました。


これでやっとなめらかに動くようになりました。
2つあけた軸穴が表に出ています。


肩の荷もこのリフトで下せます。

なぜこのような軸受けになっているのか不思議ですが、おそらく表に軸穴を見せたくなかったためではないかと推測しました。


2017年11月2日木曜日

トミカたのしい自動車工場 ギア割れ

「たのしい自動車工場」という名だそうです。

右端のエレベーター、無負荷ではよく動くのですがミニカーが乗ると持ち上がりません。


ギア割れを疑いました。
ギアボックスの中です。左から伸びているシャフトの先端のピニオンギアが割れていました。

交換して無事修理完了です。

トミカのこの手のシリーズはいつも感心します。
ギアとリンクのオンパレードです。
(写真撮り忘れました。)
モーター一つ二つでよくこれだけ動かすなあ。

2017年10月20日金曜日

バンダイ 8盤プレーヤ―

小さなレコードプレーヤーです。100円玉と比べてください。




かかっているのはソノシートに見えますが「8盤レコード」とあります。
実はソノシートではなくレコード盤です。厚みがありました。
プレーヤーには回転数を微調整するダイヤルがあります。


てっきり古いものかと思ったら・・

BANDAI 2004 とありました。以外に新しいですね。
でも売れなかったようですね。

2017年10月17日火曜日

器械体操のサル

かなり古いものです。
動きません。


モーターのすぐ下にある白いピニオンギアが割れていました。


ギアボックスをばらさないといけません。
しかし、ギアボックスから上に棒が出ていてカシメで固定されています。
取るのはなかなか厄介です。

棒はそのままで(ギアボックスは外さないで)ギアボックスを半分ばらすことにします。
隙間から外すようにして割れたギアを取り出し、交換しました。
ギアは打ち込みやすいように穴を少し大きくして、
ウォーターポンププライヤーで押し込みます。

これで動くようになりました。
動かすときは鉄棒についているバランサーを立てて重心を調整するようになっています。

こうすると、回転が複雑になって見飽きません。
一方向にぐるぐる回るだけではありません。
逆回転したり、途中で戻ったりもします。

電池ボックスにも問題がありました。
変形していて電池が入りません。


お客さんの了解を得て変形部分を切り取り、別のプラ板を丸く曲げて当てました。
電池受け金属はぼろぼろで、リン青銅版で作製したものを取り付けました。

どこの製品かとよく見ると、made in japanで「シルクハットにTOT」とあります。
野村トーイの関連会社のようです。


2017年10月6日金曜日

腕がなくなったロボコン

ロボコンの腕がなくなったので作ってほしいという依頼です。
腕といっても名前は聞いたことがあるが見たことがない・・
ネットで検索しました。
石ノ森正太郎の原作です。
写真は取り付け後。

腕はホームセンターにあるエアコン用のパイプカバー、回転します。
手は木で削り出しです。


此方は回転なしです。

音も出ないというので、中を見ました。

ソノシートで針から直接スピーカーのコーンにつながっています。


それでも結構聞ける大きさの音が出ます。
内部の接点をすべて磨きます。針も磨きました。
モーターもオーバーホール、シャフトも清掃です。


ソノシートの一番内側に来ると、つまり音が終わると接点が切れて回転が止まります。
ボタンを押すとアームが戻ると同時に盤が回転して音声が再生される仕組みです。

この仕組みは当時はよく使われたようです。
バスの声や人形の声などいろいろなものに使われていました。
バスの場合は溝が1本でなく数本平行して彫られていて最初に針が下りた位置で案内が変わるというものを修理したことがあります。
よく工夫されたおもちゃです。