2017年5月26日金曜日

都バス ミステリーアクション

マスダヤの都バスです。


ミステリーアクションと呼ばれる仕組みで、障害物に当たると自動的に方向転換します。


直進しませんとの訴えでした。
確かに動きがぎこちない。

まずはギア割れを疑いましたが問題ありません。

どうもピニオンとクラウンギアが滑っているようです。
ピニオンギアやクラウンギアの位置を変えても改善しません。

車軸の乗っている丸い部品がぐらついていてクラウンギアが逃げるようだったので、シャフトに0.1mmのリン青銅板を巻いてガタをなくしましたがまだだめです。

基本に帰ってよく観察すると・・・
クラウンギアの歯がつぶれたように歪んでいます。
それで滑るようです。
ギアの歯に三角やすりを当てて「目立て」をしました。


やっと順調に動くようになりました。
ストレスなく回るのは気持ちいいですね。

ギアの歯が変形した原因はおそらく走行モードのまま力ずくで押したのでしょう。
子供はよくそうやって手押しで遊びます。
それでギアにストレスがかかったのでしょう。
ちゃんとしたおもちゃはそういう動きに対応して工夫されています。
トルクリミッターやスイッチオフでギアがフリーになるなどです。
プラレールなどはそうなっています。
このバスはシャーシ下側にスライドスイッチがあって走行モードと手押しモードを切り替えるようになっています。手押しモードでは動輪が宙に浮いて車輪の回転の影響を受けません。
子供にはそこまで気が回らなかったのでしょう。
返却の時に伝えることにします。

2017年5月21日日曜日

ラジコンカー ハマー 大失敗の巻

大失敗をしでかしました。


動かない状態でした。
送信機はちゃちなスイッチです。
針金と金属板といったところです。


接点を清掃して送信機は復活です。

本体は、と点検しているとはんだが浮いていました。
写真一番右側のはんだが浮いています。


これで良しと思って試運転に入りました。
ここで大失敗です。
外部電源を回路につなぎました。
当然のように赤をプラス、黒をマイナスと思い込んで・・
動きませんでした。
それなのに電流が300mAぐらい流れて変だなと思ってチェックすると。
何と!赤がマイナス、黒がプラスでした!


ICは一発で破損です。
信号が全く出なくなりました。

ICは「SCR2000」というものですが、一般的ではありません。

ベテランドクターに相談しました。
結局後の始末をお願いすることに・・
いつも困難なものばかりお願いして申し訳ありません。
でもありがたいです。

追記:無事直りました。SCR2000の信号発信部分は生きていたらしく、モータードライブ部分がだめになっていたようです。SCR2000の信号はそのまま生かして、モータードライブ回路(IC2個)を追加して直してくれました。おまけにライトをLED化してバックで白ランプが点灯するよう改造してくれました。元より豪華になって返却です。
自分のミスが原因なだけにほっとしました。私には手が出ない世界です。力強いサポートでした。






連結で走るゼンマイ機関車 仕組み

機関車と客車が2本の紐でつながれています。


引き延ばして下に置くとジーッと言いながら近づき、近づききったところで走り出すというものです。
紐が引っかかって引けなくなったそうです。
お父さんがチャレンジしたのですが手に負えず持ち込まれました。

原因の一つは紐がプーリーから外れていました。
写真右側の車両にあるプーリーです。

紐が斜めに引かれる構造なので乗り上げてしまいました。
その構造の修正はできませんでした。

問題は左側にもありました。
ゼンマイが巻きこめません。


ばらしてみましたが問題が見つかりません。


再組立てでゼンマイは巻けるようになりましたが、組み立てると戻りません。
引っかかっていたのは右側のプーリーの紐の末端が表に出ていたことでした。
これがカバーにひっかります。
写真は押し込んだ後の状態で、フラットになっています。


これで無事完了です。

このおもちゃは何度か見たことがあります。
動く仕組みは
1、引き離すと、引く力で機関車側の右のプーリーが離れてゼンマイが巻かれます。
同時に客車側のゼンマイも巻かれます。
2、手を放すと、機関車のゼンマイで糸が引かれて客車を引き寄せます。
同時に、手で引く力がなくなったため機関車の右のプーリーのついた板がばねで引かれて二つのプーリーのギアが噛み合います。これにより、客車のゼンマイの糸が右プーリーに巻き取られていきます。
3、限界まで近づくと、機関車のゼンマイはこんどは客車の「プレート」を引きます。プレートのばねが微妙に働いています。
プレートは客車ゼンマイのロックになっていて、これがはずれることによって客車のゼンマイが解放され、走り出すというわけです。

よくできた仕組みです。

2017年5月19日金曜日

ハグするクマのぬいぐるみ

全く動きません。


布をはぐことにしましたが、足が取れません。
ひとしきり探した挙句見つけたのがこの穴。
奥にねじが見えました。




これを緩めると足が外れます。


はがして、剥がして、こんな格好に。


あられもない姿ですいません、です。

中をみます。
モーターに電圧をかけても回りません。



モーターの内部はこうなってました。
ブラシの先端は擦り切れて紛失しています。
整流子はすり減って溝ができていましたがまだ使えます。


ブラシ交換と清掃で復活しました。

それにしてもこの真っ黒の汚れは金属酸化物でしょうか?
内部にシリコングリスを使うことの是非を耳にしたことがありますが
通常のグリスでもこんな風に真っ黒になったものを見ます。
そもそもグリスが必要なのか、という意見も聞いたことがあります。
マブチの公式見解はシリコングリスは不適となってますが、
一度問い合わせたところ、回答した技術者の方はあまり厳密に考えてはいないようでした。

何が正解でしょうか?
いいモーターはカーボンブラシが使われていて、グリス禁止で明快ですが。
今回は一応シリコングリスを入れました。

はやぶさ連結器 ツメ欠け第2弾

はやぶさ連結器の故障です。
単なるギアのずれと思ったら、爪が欠けていました。
以前にも直したことがあり、2度目です。
前回とは違う方法で対処しました。
サイドからL型のプラバンを当てます。




この方法だと、そのあと乗せるパーツの壁と干渉します。
端を落として逃げを作ります。
写真は角を落としている途中で、切子が残っています。


ちょっと引きずりますが何とかなりました。
潤滑剤を塗って返却です。

2017年5月14日日曜日

ソフビポポちゃん 手がもげそう

ソフビポポちゃん。
親子で病院に来ました。
わきの縫い目で裂けて手がもげそうです。
丁寧に可愛がっている様子がわかりますが、ソフビの弱点です。




デンタルフロスで縫合です。
針はカーブ針。下穴なしでいきます。


縫い終わりました。
この後、一目一目ピンセットで糸を引っ張って締めてから止めます。


縫い目隠しと、補強のため「サイレックス」を塗ります。


胴体の縫い目が広がっていたので、そこにも「サイレックス」を薄く塗布。
この接着剤は結構強いです。


これで完了・・といきたいところだったのですが、この後2つ失敗をしました。
一つは生乾きの接着剤に触って面を荒らしてしまいました。

二つ目は顔の黒ずみを落とそうとアルコールで拭いたとき
誤って力が入って眉とほほの赤味を片方ずつ消してしまいました。
困った挙句、ふと思いつき、女性ドクターに相談すると・・・持ってました!
化粧道具。
ほほ紅を差してもらいました。完璧です。何といっても本物だから。
眉は色が合わず使えません。
すると別の女性ドクターが、そこは自分で好きな色に塗ってもらったら?とアドバイスしてくれました。
なるほど!です。
お客さんに事情を言ってお願いしました。


2017年5月11日木曜日

踊る犬のぬいぐるみ 回路図を起こす

踊る犬のぬいぐるみが動きません。声も出ません。
当日のおもちゃ病院では原因がつかめず持ち帰りに。


配線はこんな具合です。



電圧は正常に来ているし、スイッチ、モーター、スピーカーも正常です。
IC不良を疑ったのですが、修理不能の結論は慎重にしたい。
先輩ドクターに相談したところ、電解コンデンサーをチェックしてはどうかと言われ、
持ち帰りました。

コンデンサー、トランジスターに問題はありませんでした。
基板の再はんだをやりましたが効果ありません。

この手のもので相談するといつも言われるアドバイスが「回路図を起こしなさい」です。
やってみることにしました。

表と裏で書き写し、合体させます。


見やすい図に書き換えて、


電源を入れて各部分の電圧を測りました。
4.5Vを赤で、4.0Vを橙で、2.3Vを緑で、0Vを青で記入してあります。

手(前足)のスイッチを入れて変化するのは緑の部分が4.5Vになることだけです。
モーターへの信号が入るR2,R3の部分は変化なしです。つまり信号が来ていない。

試しにR2,R3の端をGNDにショートさせるとモーターは正常に回ります。
もちろん逆回転です。
音は出ませんでした。

ここまでやって、「IC不良のため修理不能」の結論を出しました。
趣味半分の経過でした。

せっかくなので、GNDとR2,R3にリード線をつなぎ、足まで延しておきました。
こうすればお客さんの希望があれば、そこにスイッチをつなぎ動きだけでもできるようになります。
大事そうなぬいぐるみです。お客さんの反応はどうでしょうか?


2017年5月5日金曜日

トミカ オート踏切とステーション 基板割れ

「オート踏切とステーション」という名前だそうです。
施設からの依頼です。
寄付を受けたが、一番右のスイッチがきかないとのことです。










接点不良を疑って分解を始めましたが・・・










何と、基板が見事に割れています
これではスイッチどころではありません。










当て板で補強し、切れた配線はジャンパ線でつなぐことにします。
当て板は強度のあるアクリル板です。























なかなかいい具合だぞと思って組み立てたのですが、スイッチがスカスカで押せない。
ボタンの足を次いで長くしてみたらうまく押せたが、今度は蓋がしっくり閉まらない。
アクリル板の厚みが邪魔しているとわかって、蓋の方を削りました。


これで何とか直りました。
それにしても基盤が割れるとは。
踏みつけるか強く押し付けるかしたのでしょうか。