2017年1月27日金曜日

フォークリフト ラジコン 

動かないとのことです。


まずは発信機から。
(これはラジコンの先輩から教わったこと)

電池受けが錆びています。


この場合、外して熱湯洗い・清掃か交換で対応します。
電池が触れる部分だけ磨くという手もありますが、当座しのぎなので採用しません。
今回は熱湯洗い・清掃です。本体も洗います。
電線にも錆が入っていたので交換です。

これで電圧はOKですが、きかないレバーがあります。
スイッチをみるとタクトスイッチが使われていますが、接触が不安定です。
結局6個のうち3個を交換しました。


ところが、電波チェッカーでみると「常に発信」しています。
ひとしきり悩んだ挙句、結局写真中央上のスイッチの配線が問題なことに気づきました。
中央一番上の4点が問題の足です。フォークの動きをコントロールしています。


タクトスイッチの4本足のうち写真左上の足(の配線)を切り離してうまくいきました。
これだとこのおもちゃはこのボタンで(リフトが)動いたためしがなかったのではないだろうか。

次はリフト部分のロープです。
切れていました。
どういう取り回しなのか悩みながらなんとかなりました。
糸はからみの少ないストラップ用を使いました。
手芸店などに置いてあります。
干渉を避けるには端糸の処理も一工夫です。



このクラウンギアを動かすピニオンがすり減っていたので、少し位置を移動してちゃんと動くようになりました。

お客さんが驚くのではないかと心ひそかに「期待」しています。
いろいろと不具合があって、楽しめました。




学研ニューブロックのシロクマ 骨折

後ろ足が折れてしまいました。(写真は修理後)



中身は空洞でどうやって固定したものやら・・

二晩考えた挙句、アルミメッシュを内部に入れて骨組みを作り、ホットボンドで固定することにしました。
何とかつながりました。子供が使うことを考えると、強度に若干の心配があります。

アルミメッシュは胴体内部に広がり、足にもつながっています。


2017年1月24日火曜日

いないいないばあのクマさん

動かないということで持ち込まれました。

開いて、まずはスイッチを点検。
断線していました。


はんだ付けをして動くのを確認して返却したところ、右手が動かないと言われました。
言われてみるとたしかに動きが小さい。
「本来の動き」はいないいないばあのように開いたり閉じたりするそうです。
受付、初診の大切さを感じました。

引き続き預かりました。
中を見ると、部品が折れていました。
特殊な形でやっかいです。(写真の上が正常、中が折れたもの、下は作製した部品=途中)


折れた部分を削り出してつなぐことにします。
外側はのこで切ります。
問題はえぐれた部分です。
リューターのビットをドリルに取り付けてフライス盤のようにして削ることにします。


できました。あとは現物合わせで微調整です。


手がちゃんといないいないばあをするようになりました。

2017年1月23日月曜日

アンパンマンシャワー

水物です。


お父さんが分解したけれど挫折して持ち込まれました。

電池ボックス内部は浸水して錆だらけです。
取り合えず清掃して導通を回復しました。
写真は清掃後ですが、赤さびの跡がみえます。


それでも動きません。
内部を開いてみると、モーターは生きています。
ラッキー!

外部電源で端子を移動しながら故障個所を探ると、スイッチでした。
スイッチボックスは防水仕様ですが水が入ったようです。
端子がさびて折れていました。
スイッチそのものを開くと・・ん?
部品が不足している!
そういえばお父さんが分解したと言っていたけれどスイッチまでたどりついていたのか。

スイッチを交換して、紛失した防水パッキンを取り付けて、パッキングリスを補給して。
シャワーを当てて浸水チェックした分にはOKです。
これでお返しすることにしましたが、長持ちするといいけれど。

トーマス ミステリーアクションのギア

ミステリーアクションのトーマス。2度目です。
前回持ち込まれましたが、新しいのでメーカーへの相談を勧めました。
お母さんが不安そうな顔で引き取って行ったのを覚えています。
気になって後日電話してどうなったかを聞きました。
メーカーが特定できないということなので再度持ってきてくださいと伝えました。


壁に当たっても方向転換しないとのこと。
電池の容量不足はありましたが、動きが悪い原因は他にありそうです。

よく聞くとギアがかじっている音がします。

ミステリーアクション部分を開くと、ピニオンギアの下側がすり減っています。
クラウンギアがここで滑っているようです。
ピニオンギアを少し押し込んで、噛み合いを改善しました。
写真は少し押し込んだ状態です。
下側がすり減っているのがわかります。


これで壁に当たってもうまく方向転換するようになりました。

2017年1月20日金曜日

kawaiのピアノ 固定スポンジの劣化

カワイのピアノです。(全体写真を撮り忘れました。)

デジタルではありません!
音源のアルミ合金のパイプを鍵盤につながるフェルトでたたきます。
いい音色です!

このパイプを固定しているスポンジが劣化するとパイプがバラバラになってしまいます。
これを持ち込んだお母さんは袋に入れて横にして持ってきました。
パイプが片方に全部ずれてかたまっていました。

このピアノは同じ状況を何度も診たことがあります。
スポンジをなぜもっとしっかりしたものにしてくれないか・・などとも思ったものですが、
音色のすばらしさに聞きほれて、それより何とかしようという気にさせるピアノです。

で、何でパイプを固定するかが問題です。
ゴムひもを使う方もいます。
フェルトの人もいます。
でも、いずれも音は難しいという印象でした。

試行錯誤しているうち、毛糸が一番だと思いました。
太い毛糸を敷いて、細い毛糸で縫っていきます。
毛糸とパイプは接着剤で軽く固定します。



毛糸とパイプが接触する位置は気を使います。
振動の一番少ない部分に持ってくるのがベストです。
理屈では端から4分の1のところでしょうが実際は少しずれているようです。


このピアノ、何でもプロのピアニストが余興で聞かせることがあるとか。
実は私自身も室内の小さなコンサートで目に(耳に)したことがあります。

思わず演奏者に聞いてみました。
メンテナンスはどうしていますか?と。
パイプを何で固定するかに興味があったからです。
でも残念ながら固定が外れたら寿命にしているようです。
プロはスポンジが劣化する前に使い切ってしまうということかもしれません。

いいおもちゃだなあと感じる一品です。
最近はデジタルのものも出ているようですが・・

2017年1月16日月曜日

しゃべる犬のぬいぐるみ

手(☆印のところ)を握ると歌ったりしゃべったりするが、全く動かないとのこと。


☆印のところにタクトスイッチの感触があります。

機械部分はタイラップを切って取り出せます。
縫い目をほどかなくていいので気が楽です。

スイッチにたどり着くには手を裏返します。
スイッチは糸で止めてありました。


線が切れています。
反対側の手も同じ場所が断線していました。
子供が手を持ってぶらさげるからかなあ?


はんだ付けして、ホットボンドで補強して、無事動きました。
口も動きます。
歩く仕組みはありません。

厄介だったのはアヒルのくちばしの様なものが上下顎におさまって動かすのですが
それがうまく顎に収まらない。ぬいぐるみの外からいじって何とか収めました。
工場ではどうしているんだろう?

不思議なのは入っている歌が「あいあい」です。
犬がおさるさんの歌うたってどうすんの?

2017年1月15日日曜日

鉄琴の車 音板

鉄琴のおもちゃですが固定する木釘がなくなっています。
下に敷いたスポンジもへたってます。


木釘は編み棒の頭を使いました。
スポンジ部分はフェルトを敷きました。

たたくと、おもちゃとは思えないほどいい音です。
(ただし、高音になると苦しい。難しいです。)

音に誘われるようにして、なくなっている音板の代用品を探す気になりました。

いろいろ試した結果、真鍮パイプに決定。
金管楽器に使われるぐらいなので素性はいいはず。

長さのバランスからいって8ミリ径にして、長さは後で微調整。
下に敷くフェルトの位置に気を使いました。


とても余韻のきれいな音が出ました。
形や色は「ご勘弁」です。

2017年1月11日水曜日

音の出るおもちゃ 電池受け金具

お孫さんのためにとおばあちゃんが持ってきました。
大きなおもちゃの一部分で、ボタンを押しても音が出ないとのこと。


裏蓋を開けると・・見事な緑青。
右側は折れています。


4か所すべて交換して無事お返しできました。

この手の電極は板を曲げただけの単純なもので、プラレールなどにも使われています。
その時になっていちいち作成していると時間がもったいないので、予め用意してあります。
4ミリ厚のリン青銅板を6ミリと7ミリに切り、端に穴を開けたものです。

取り付けはオリジナルは鳩目ですが、2ミリ低頭ビス、ナット固定が手軽です。
ビスを低頭にするのは電池に接触させないためです。
低頭ビスはちょっと手に入りにくいかもしれません。
ねじ専門店では注文できるのですが。

同じ考え方で、0.1ミリ厚のリン青銅版を2ミリ幅で切ってあります。
何に使うかは見当つくと思いますが、モーターのブラシ用です。


用意してあると本当に楽です。

電池受け金具の錆には電池が接する部分だけを磨いて済ませるよりも取り外して(温水)洗浄か交換がお勧めです。

車の模型 ディーラーディスプレイ用 ホイール破損

車のディーラーに展示されている車の模型。
子供が転がしていてホイールが壊れたとのこと。

見事にハブとホイールが分離しています。
「スポーク」も1本折れています。実はほかに数本折れています。

修理方針は厚いプラバンを裏からあてがい補強することにしました。
下に見えるのが厚さ4ミリのプラバンを丸く切ったものです。


プラバンを組み込んだところ。


ホイールと組んだところ。
折れていたものも接着してあります。


ここから、中心に8φの穴をあけ、ハブを接着します。
車に取り付けるとこんな感じです。


この角度では見えませんが軸が歪んで回転がぶれます。
ちゃんと垂直に取り付ければよかったのですが・・・
ご勘弁!の世界でした。

この模型は展示用というだけあって、爪でタイヤの回転を固定してしまうことができます。
ところがお客さんのところでは押して動かすのがメインです。
すると不都合が生じます。
転がしているうちに、爪が突然噛んでホイールに負荷がかかり、壊れます。
この故障もそうして壊れたのではないかと推測しました。

そこでお客さんの了解を得て爪を削り取りました。
もう引っかかることはありません。

ちなみに車はトヨタの「SAI」でした。
あまり売れなかった車だったようですが。


機関車トーマス 動きが悪い原因は

走りながら音楽を奏でる機関車トーマス。


走るけれど音が鳴らないとのことで、スピーカーかな?と見当をつけつつ分解。
(もちろん最初は電池チェック。正常でした。)

  しかし音は電気的なものでなく、ふいごで風を送って音を鳴らします。
  円盤を入れるとオルガンのように曲を奏でます。
  いわゆるオルガニートのおもちゃ版といったところです。

  電子音でない、頼りなさげなところがなんとも温かい感じがします。

動きももったり苦しそう。
ということはモーターのトルク不足かとみてモーターに直接電圧をかけると十分に回る。

ではスイッチか?と疑って、外部電源をスイッチ前後でつないでみても問題なし。

モーターにかかる電圧を測ると不安定で、1V台に下がることがある。
どこで電圧が低下しているのかをテスターでたどっていくと電池ボックスに問題があった。
それにしても目視では錆も断線もない。
困りつつさらによく見ると、


鳩目が緩く、金具がぐらぐらする。
どうもその部分で導通不良になっているらしい。
4か所を再はんだして様子を見ると、モーターも音も快調になった。




2017年1月8日日曜日

アンパンマンキーボード 断線

若い夫婦が持ってきました。
音も光も出ないとのこと。
もう半年も前に駄目になって捨てる寸前でおもちゃ病院を知って持ってきたそうです。















音も光もということなので、電源ラインを当たることにしました。
見たところ線もはんだも大丈夫のようです。
外部電源で、電池受けからとかスイッチをパスして電圧をくわえたりとかしてもだめでした。

これは重症かと思いつつ基板を外して基板の電源ラインをみることにしました。
何が悪いのかとよく見ると、マイナス線(黒)が基板の直前で切れている!



思わず目の前のお客さんに、これですねと指摘しました。

外部電源を基板につないでみると正常に動きます。
見ていたご夫婦が、おお!直ったよ!と声を上げてくれて、単純なわたしはやったあと思った次第です。

切れていた部分をつないでお渡ししました。

線の切れ方をよく見るとニッパーで切ったように切れています。
裏ぶたを止める柱(ボス)のすぐ脇なので、工場で組み立て時に挟み込んだと推測します。

そういう私自身も裏蓋を閉めるとき挟み込んだ経験があります。
そういう時は素直に閉まらず少し浮きが出ます。
力ずくで締めないで、また開いてチェックします。

直しながらいろいろと話ができて楽しかったです。


ミッキーの人形 スイッチ接触

ミッキーの人形の電池の入れ方がわからないとのこと。
おばあちゃん(←おそらく)が孫のためにと思って、古いものを動かしたいそうです。


ねじが見えたのでこのねじをはずせば・・といいつつ開くと、見えたのは電池ボックスではなくスイッチ内部でした。
電池ボックスの蓋はというと二つの爪を挟むようにして開くようになっていました。
















スイッチはスライドして電池の電極をつないだり切ったりする仕組みです。
犬のぬいぐるみなどによく使われています。
作りはこちらがはるかに上です。
しかし、気になるところがありました。
















電池につながる電極がへこんだ位置にあってスイッチの金具が接触しません。
道理でスイッチ動きがすかすかしていたはずです。

対策は電極金具にワッシャーを噛ませて持ち上げることでした。

これでうまく動くようになりました。

ずいぶん喜んでもらえました。

踊るフラダンス人形 コイルの抵抗

百円ショップでよく見かけるタイプのものです。
左右に踊るように揺れます。


動かないということでした。
何でも娘さんが結婚した時に自分方に不幸があって、相手のお母さんが励まそうと思って優しい動きのこの人形を贈ってくれたんだとか。
捨てていいと言われたが踏み切れない。何とかならなっかという相談でした。
お金はかかってもいいとのことでした。

中を開くと、ソーラー発電パネルで発電してコイルに電流を流し、フラダンスの足元にある磁石を動かして左右に振れる仕組みです。
百円ショップによくあるおもちゃの仕組みです。

コイルと基板をつなぐ細線が2本とも切れていました。

そもそもコイルは生きているかと導通チェックをしたところ反応がありません。

ならば百円ショップで合うものを見つけようと思ったのですが念のため他のドクターにチェックお願いしました。
500Ωぐらいあるので正常です、と言われて驚いた。コイルが500Ω?
自分は導通チェックは音で知らせるものを選択したので数十Ωで反応なし(導通不良合図)は当たり前でした。

コイルも細線で巻き数が多いと500Ωにもなるのか!
知らないと思わぬミスを犯すと知らされました。

切れたところを基板につなぐと正常に踊りだしました。

とても喜んでもらえて、そのお裾分けを自分もいただいてうれしかった。

2017年1月6日金曜日

sassyのぶた ギアボックス割れと歯欠け

sassyのブタが動かないとのことです。



外側の「最後の縫い目」を探して中を取り出します。
ギアボックスが割れていました。


ワイヤーで縫合しますがボックスなので内側からワイヤを外へ出すのが問題です。
どういう手順で引き締めるか、パズルのようです。

たっぷりの長さを取って、まずは離れた状態でワイヤをすべて通します。


これを少しずつ引き締めて行きます。


最後は1か所ずつ順番にラジペンで引き締めて。


別方向の縫合です。ワイヤの逃げも作ります。これでギアボックスは終了。


この方法は、以前ゴジラの胴体がスパッと折れたものを修理するときにも使いました。
筒形のものはワイヤを通すのが厄介です。
そこをクリアすれば9割がた終了です。

もう一つ問題がありました。
ギアの歯欠けです。


ピンをU字型に曲げて差し込みました。