2016年12月28日水曜日

水物はスイッチが・・

霧を吹きかける扇風機です。

動かなくなったということでした。

水物なのでモーターを疑いましたが、モーター単体ではよく回ります。
回路はスイッチとモーターだけなので外部電源を順番に移動して当ててチェックです。

スイッチで回路が切れています。

スイッチの内部はこうでした。















内部の接点を磨きましたが、念のためさびていない方(使ってなかった方)の端子を利用することに。

無事修理完了です。
使うのは半年後ですね。

水物はよく錆びます。
ラジコンカーで、防水を謳ったものがありますが、基板などは確かに防水処理がしっかりしています。
でも、弱点が・・

それはスイッチです。
スイッチ内部が酷くさびたものをよく見かけます。

トルクリミッター

たしかトーマスだったと思います。

動かないということでした。

チャックすると、モーターは回る音がします。
まずはギア割れを疑いましたが、ギアには問題ありません。

原因はトルクリミッターでした。
本来は回転力を受け止めなくてはいけないのに、弱い力で滑ってしまいます。
















ばねの内側に補助(白く見える板)を入れることにしました。
固定は2.3ミリのステン線です。



やわらかい素材を使ったのですがスペースがきつすぎて、今度は滑らなくなりました。
弧の部分を少し削って調整して完了です。

木の迷路ゲーム

木の迷路。
盤面を傾けてボールを転がしながらゴールさせるゲームです。

傾きは側面の黒いダイヤルで調整します。


このダイヤルが空回りするようになってしまいました。

ダイヤルで盤を傾ける仕組みは、ダイヤルにつながるシャフトに糸が巻いてあり、回転に応じて糸が移動して盤が傾くようになっていました。

この糸が切れていました。
















糸の交換です。
糸は丈夫さとフリクションを考えて、ストラップなどに使われているものを使いました。
大きなホームセンターや手芸店に置いてあります。

念のため切れていなかった方も交換して。
スムーズに動きます。

ボス折れ スペースがない

赤ちゃんが使うおもちゃで、ブランコのフレームのような形。
つかまり立ちができそうな大きさです。

この横棒の回転を止めるボスが折れてしまいました。

接着剤では強度不足で危険です。
かといって周りにはスペースがほとんどありません。
困りました。

観察しながらあれこれ考えていたら、「あるもの」がみえてきました。
















他のパーツを止めるナットに当たる部品にボスをねじ止めすることにしました。
本来は黄色いパーツに固定されていましたが、白い「ナット」に固定してあります。
(黒く見えるのは位置決めのためのライン)
ナットはほかのパーツで囲まれて強く固定されるので強度もあるでしょう。

















木のおさるさん フリクション強化

木のおさるさん。(写真は修理後のもの)

デンマーク製です。
思い入れのあるおもちゃだそうです。

腕を引き留めているゴムが劣化して切れてしまいました。

ゴムはいろいろありますが、使った中では海(船)で使うショックコードがベストです。
太さはいろいろあります。

強く引き締めないと腕がぶらぶらして任意の位置で止まりません。
あまり強くするとゴムに負担がかかります。

適度に引っ張って(といってもかなり強く)止めましたがフリクション不足で腕が固定できません。

関節部分に皮を入れてみました。

なかなかいい感じです。

喜んでもらえました。

2016年12月14日水曜日

学研インベーダーゲーム 電池受け製作

古いものです。
全く動かないということでした。















お決まりの電池と電池受けチェックから。
電池受け金具はこの通り。


交換することにしましたが、形が独特です。
リン青銅板0,4mmを使いました。
凹型にどうやって切るか迷いました。
糸鋸じゃあ面倒だし。
先輩に聞くと2本切り込んでからへこんだ部分をペンチで何度か折り曲げて
金属疲労で折るのだと教わりました。
切り込んだ状態。















曲げて曲げて















こうなります。あとはやすりで仕上げます。

2016年12月12日月曜日

CCPラジコンカー 前輪部折れ

CCPラジコンカーです。
CCPとはカシオクリエイティブプロダクツの頭文字です。
前身は朝日コーポレーション株式会社。
現在はバンダイ系列だそうです。

さて、おもちゃは左前輪が折れたとのこと。
折れた部分はこんな具合です。ぽっきりいってます。

力のかかる部分なので気を付けて固定したい。

ステンワイヤーで縫合し、エポキシで固めることに。





よく見ると右前輪も全く同じ個所が割れていて、以前どこかで修理した跡がありました。
緩んでいたのでこちらも再修理。


これで修理完了ですが、一つ気になることが。
最初の写真でわかる通り、割れ面が斜めです。
ここに車が衝突したときのショックが加わると「ずれる力」が生じます。
一応対策はしたのですが、主ワイヤではこれを防げません。
当て板をあてがえばよかったかなと後になって反省です。

ファービーのモーター

ファービーが2体来ました。
季節柄クリスマスバージョンです。

















全く動かない。
電池、電池受けをチェックしても問題なし。

外部電源で電流を測ると3,40mA流れる。
回路は正常かもしれないと考え、モーターを当たることに。

というのは以前先輩ドクターから電池を入れるとまず初期動作をする。
だから、モーターが回らないと始まらないと聞かされていたのを思い出したから。

全体にきれいだからブラシの減りでもなさそうだしなどと思いながら分解。

















モーターが見えた。
開放型のやつで、よく見ると上の方にブラシが見える。

ひとしきりどうやってモーターを取り出そうかと観察していた時、
ふと、詳しくは見えないがブラシはそんなに汚れている風もないし
せっかくブラシが見えるのだからスプレーで古いグリスを飛ばしてみようと考えた。
使ったのがこれ。

オイルが飛び散らないようにモーターのすぐ裏側にティッシュを詰めて。
ひとしきりスプレー。

モーターに電圧をかけると・・・動きました!
おそらくモーターを長い間回していなかったためグリスが固着していたのだと思います。

電池を入れると目や口が動き、何か自己紹介のような英語をしゃべりました。
これでOKです。
ラッキーでした。

もう1体も全く同じ対処で復活しました。

「毛皮」の「止め」は元はタイラップでしたが、細長いものがないのでタコ糸で締めます。




片方を輪にしてトンネルに通し、端を下にくぐらせます。(右)
そうして糸を目一杯引き締め緩まないように指で押さえて、
端を輪にくぐらせ緩まないよう引き締めます。
もう一度結んで、最後は接着剤をしみこませます。

仕上げは耳です。
プラの「骨」にかぶせて糸で止めて終了!(ということは分解で最初にやるのは耳の糸切りということに)
















試運転で正常に動くのを確認して、あとはクリスマスに間に合うようにお客さんに渡します。

*後日譚
   お客さんにはクリスマスに間に合いましたが、一体(サンタさんの方)は動かないということ
   で再修理になりました。
   チェックすると正常に動いたり動かなかったり、動きが途中で止まったりします。
   ICを強く抑えると変化するのでIC不良を疑いました。
   再はんだもやりましたが改善しません。
   残念ながらこれ以上手が出せません。




2016年12月8日木曜日

アンパンマンキーボード レギュレーター

音が鳴らないとのことでした。


電池受け金具がさびていたので清掃・交換しましたが、なお電源が入りません。

基板を出して電源から配線を追うことにしました。
電池から6Vが来てすぐ三端子のチップにつながります。

三端子レギュレーターというのがあって定電圧を作っているというのを耳にしたことがあったのでテスターの端子を当ててみると、三端子の一つは当然6V、一つが0V(grand)、もう一つが1.5Vだった。
1.5V? ICは3Vか5Vと聞いていたのでその端子に直接3Vをかけてみる。
すると正常に作動する!

そこで出力が3.3Vのレギュレーターを早速買ってきて取り付けたところ、ちゃんと作動した。
端子の位置が違っていたので修理後はチップが斜めに取り付けられている。

(下は取り外したパーツ)

レギュレーターに目を付けたのは初めてだった。「当たり」でうれしかった。

手回しオルゴールのショックアブソーバー

手回しオルゴールの平ギアの歯が一部すり減って、そこで回転が止まるようになっていました。
ハンドルにつながるウォームギアの次(下)のギアです。




すり減った歯は6枚分。

その歯をそぎ落とし、穴をあけてステンのピンを差し込んで歯にしました。
歯の先端は丸く削ったのですが、回してみると1か所きくっとくるところがありました。
(写真上は正常な部分の歯並び 下はピンを刺した部分)




そのままでもよかったのですが、先輩からの助言で、ウォームギアのついたハンドルシャフトの抑えに薄いシリコンゴムを噛ませてショックを吸収できるようにしたところ滑らかになりました。
写真の緑色に見えるのがキモのゴムです。
ついでに緩いピンの差し替えと歯の角落としをやっておきました。

ゴムでショックを吸収させるとは思いつきませんでした。

2016年12月4日日曜日

やりたい放題 不思議なプリント配線


やりたい放題を受け付けたが、修理不能で返却する寸前に原因が特定できて修理を終えた。

症状は音が出ないということだった。
当初修理不能と判断したのは、1、スピーカーに異常がない。2、電圧がICまで届いている(元電源は4.5V。ICで3Vだったので良しと判断した。)3、ICからスピーカーにつながる端子で信号が出てないこと。の3点からIC不良と考えた。
返却直前にもう一度チェックしたときに、LEDの点きかたに気になることが見つかった。
オレンジ色のLEDは点くが薄紫のほうが点かない。よく見るとオレンジ色の方もやや暗く点灯後すぐ消えたりする。薄紫のほうはオレンジよりたぶん必要電圧が高いはずなので、もしかして電圧が低いのかと思って測定すると両方のLEDには1.6Vしか来ていない。
 そこで再び電源のルートをチェックした。
 基板入り口で4.5V、IC直前で3Vだが、どんなに見ても途中には何もない。プリント配線が細くつながっているだけである。ひび割れや錆もない(ように見える)。
 ダメもとでジャンパ線でIC入口に4.5Vかかるようにしたところ、突然音が鳴りLEDもあかあかと点灯した。
 なおったと思い組み立てると音も光も出ない。再び分解して基板を止めているねじを緩めると正常に動作する。しょうがないので緩めに基盤を固定してお客さんに返却した。
 お客さんは喜んでくれたが、不安定ですと伝えざるを得なかった。


 基板をよく見たが異常が発見できなくて不思議なプリント配線であった。(今思うとプリント配線の途中で抵抗などの端子にわずかにショートしていたのかもしれない。)

2016年12月1日木曜日

はじまり

ボランティアでおもちゃドクターをやっています。
おもちゃ修理の記録を載せることにしました。