2017年8月4日金曜日

FisherPriceのオルゴール

ゼンマイを巻いてもガリガリといって空回りで戻ってしまいます。


直接の原因はラチェットの山がすり減っていて滑ってしまうことでした。
山を少しだけ削って爪がひっかるように加工しました。
10個ほどある山の内ひっかりが悪いのもあってそこでは滑りやすいですが別の山で止まるのでとりあえずは大丈夫です。
でも、山がすり減ると再び同じ症状が出るでしょう。
その時はまた別の手立てを考えよう。

もう一つは内部の錆です。
何かをこぼしたような形跡がありました。
オルゴールのギアがいくつか結構ひどい錆で、固着していました。
分解清掃で対処しました。

何とか直りました。
優しい音です。
持ち込んだ女性は年配の方ですが、音がとても優しいので気に入っていたそうです。
ずいぶん昔に海外で買ったものだそうですが何とかあの音を再び聞きたいということで持ち込まれました。
そいえばFisherPriceという会社はどこかに吸収されて、今はもうありませんね。

このオルゴールはアメリカ製でインチねじが使われています。
裏ブタを外すのに苦労します。
深い穴の底に対辺4.7mmのねじがあります。
5mmサイズのボックスレンチでは滑ってしまいます。



先輩ドクターの自作の冶具を借りて開けました。
それは5mmボックスレンチの入り口部分を削って、ボックスのヘリの丸みを落としてありました。


アメリカ製ですが、ゼンマイ駆動部分には「sankyo」と書かれていました。

音を取り出す部分はアームの先端に工夫がありました。
円盤の山がアームの歯車を引っ掛け、音源をはじくようになっています。

本体内部には音を共鳴させるラッパ型の振動版が組み込まれています。

外をきれいに磨いて返却です。




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