動かないエルモが3体、同じ時期に来ました。
原因はすべて同じです。
ピニオンギアが割れています。
足と手の2か所が同時に割れています。
1体は平ギアと一緒になったピニオンギアの歯欠けもあります。
ギアはモジュール0.6、8枚歯です。
いくら探しても見つかりません。他のドクターに協力依頼しても見つかりません。
あきらめることにした矢先、先輩ドクターがさらにいろいろと手を尽くしてくれたので
気持ちにほだされるようにしてもう一度トライすることに。
割れたものは補修することにします。
フランジ側に金属タガをはめ、エポキシ樹脂を隙間に充填しました。
歯が見える部分は相手ギアとかみ合うぎりぎりの幅です。
足部分のギアは長さ10mmありました。
半分はシャフトに噛んで残りは空洞で次のギアと嚙み合います。
やはり金属タガとエポキシです。
平ギアと一体になったものは、アルミ棒を削り出して8mm長さのピニオンギアを作製し、平ギアと合体させました。
小さいビスで裏から固定してあります。
(左は削り取った歯欠けのギア)
手の部分のギアボックスはこんな具合になりました。
足のほうも同じように割れたギアを補強します。
これで無事動くようになりました。
なかなか悩ましくも楽しい修理でした。
後日譚
3体のうち1体はギアだけではなくIC不良が疑われました。
結局正常作動するものから基板、動力部分を移植して返却しました。
費用はそれなりにかかったのですが、お客さんがぜひ直してほしいということで対応しました。
でも、これは修理とはちょっと言い難いですね。
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